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Amazon、Google が今更『ゲーム機』を作る理由とは



少し前から Amazon や Google が、
新たなゲーム機を作ろうとする動きを見せています。


2014 年 3 月 11 日の Pando Daily の報道によると、
Google がゲームコントローラメーカーの Green Throttle Games を
買収したことが明らかになりました。

Google buys the ghost of Green Throttle Games, as TV arms race gathers speed | PandoDaily
http://pando.com/2014/03/11/google-buys-the-ghost-of-green-throttle-games-as-tv-arms-race-gathers-speed/


このことから、Google がゲーム業界に参入しようとしていることが窺えます。

しかし、今日のゲームハードの市場は、
ブラウザゲームやスマートフォンアプリなどに圧されており、
数年前から縮小傾向に転じています 。(NPD ゲームハード販売台数データによる)

そういった趨勢にも拘らず、なぜ、いま新しいゲーム機を作るのか。
今更どんな新しい未来をゲーム機に盛り込もうとしているのか。

今日はそんな少しだけ未来のゲーム機の在り方をご紹介します。



今や日本のブラウザゲームを牽引している『艦隊これくしょん ~艦これ~』や、
スマートフォンアプリの『パズドラ (PUZZLE & DRAGONS)』などの代表的なゲームが台頭し、
ライトゲームユーザーはどんどん据置型ゲーム機から離れていっています。

一方、コアゲームユーザは、より見映えのいいゲームを求め、
高性能な GPU を搭載している PC ゲームの方に流れていきます。

そうして上からも下からもユーザを簒奪され続け、
逓減して先細るばかりの悪循環の業界に、
Amazon や Google は一体どんな展望を以て参入に臨むのでしょうか。




彼らが作ろうとしているゲーム機は、
店舗でゲームソフトを購入するような種類のものではありません。

ゲーム機には Android OS をベースとしたプログラムがインストールされており、
既にマーケットとして展開している Amazon Android アプリストア
Google Play からゲームソフトをダウンロードしてインストールします。

ゲームソフトについても、そしてその流通経路についても、
既存のシステムを活用することが出来るので、
非常にスムーズなスタートを切ることが出来ます。

このビジネスモデルは、既に Valve Corporation が
Steam Machine というゲームハードで、
2014 年中に同じ販売形態を実践投入する予定です。

Steam Machine は、Valve Corporation が提唱するゲームプラットフォーム。2014 年には複数のメーカーから、同社のアウトラインに沿った異なる仕様のハードが発売される予定である。Linux をベースに開発されたゲーム機用オペレーティングシステム SteamOS を搭載し、ゲーム配信サービス Steam に登録されている多くのゲームや、今後配信予定のゲームをプレイできるよう開発が進められている。Steam Machine は PC のようにユーザーが自身の手で自由に改造やアップグレードが可能で、SteamOS 自体も Steam Machine に限らず、一般的な PC に無料でインストールが可能となっている。


Steam Machine - Wikipedia






このビジネスモデルの大きな特長の一つは、
ゲームソフト開発者の間口を広げることに有ります。

例えば登録料に 25 ドルを払うことで
開発者は Google Play のプラットフォームを利用出来ます。

また、ゲーム開発についても Unreal Engine の開発ツールが、
月間 19 ドルで利用可能になります。

こうしたゲーム開発の土壌が整っていながらも、
PS4 や Wii U のゲームでは個人のクリエイターがそれを活かすことが出来ません。

個人で簡単に開発が可能になるということは、
新しいクリエイターが沢山生まれてきます。
新しいクリエイター層を獲得することで、
新しいゲームが作られていきます。

それは新しい市場の可能性を開拓し、
縮小する市場においてのカンフル剤足り得るかもしれません。

Amazon や Google は現在でもゲーム以外に、
音楽や映画・ドラマなどのコンテンツも提供しています。
彼らの狙いは、これらのマルチメディアをテレビでも利用しやすくすることで、
モバイル端末とテレビをシームレスに統合し、コンテンツプロバイダーとして
ユーザの生活基盤をモバイルでもリビングでも制圧してしまおうという目論見です。