喪失体験を経験
いつもお世話になっております。
セミナー事業部 東日本エリアマネージャー楠です。
5月20日は埼玉医科大学の高倉保幸先生による、
『終末期(緩和期)リハビリテーションの考え方とアプローチ』
を開催させていただきました。
そのセミナーの一部をレポートします!
(多くの方にご来場頂きました。)
終末期の基礎知識から始まり、高倉先生が入職当初から関わられていたがんによる終末期の考えを学習していきました。
昼食前までは総論を学びました。
もし自分自身ががんになったとしたら、大切にしたいと思うことは何か
そして大切なもの、大切な人、大切なことを10個書き出し、
そこから喪失体験を経験していきます。
私が実際に自分自身が末期の状態になったことがないこともあり、
本当の意味での喪失を実感することは出来ませんでしたが、
絶望の淵というのをこのセミナーを通して
少し感じることができました。
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寄り添うこと それが医療従事者にとって重要
昼食後は先生が経験された症例を、現病歴から検査値、
進行の予測などをあげてもらい、
クライアント本人の希望とこちらの対応方法を例とし、
どのように説明をしたり、どのように理解をされたのかなどを確認していきます。
最終的な決定はクライアント本人と家族にあります。
理論的な結論ではなくても尊重をし、寄り添うことが医療従事者にとっては重要となります。
そして短期目標を例示していく必要があります。
説明が全て正しいわけではなく、クライアント本人や家族の反応や
心的状態を考えながら臨機応変に対応するべきです。
また一つ一つの説明(対応)の意義を考えていくことは我々にとってプラスになるはずです。
直接治療に関わることがセラピストはないですが、傾聴と共感はできます。
非常に難しいことではありますが、とても大切です。
さきほどありました目標設定ですが、
目標設定のポイントを学習しました。
以下の4つ
- 目標は一緒に探していくもの
- 目標設定に必要な説明は、相手の受け入れ(理解ではない)に合わせる
- 実際の目標はできるだけショートステップで行なう
- 説明は正しいかどうかだけてはなく、どのような心理的な効果があるかを含めて考えながら行なう
また指標のことも学びました。
- Palliative Prognostic Index:PPI
- Palliative Performance Scale:PPS
- Common Terminology Criteria for Adverse Events Ver 4.0:CTCAE Ver4.0
それぞれが終末期の判断および介入の方法に役立ちます。
緩和ケアとして、問題を早期から正確にアセスメントして解決することがとても大切になります。
終末期や緩和期について、なかなか学習する機会が少ないかもしれません。
しかしこれから迎える高齢社会とともに、病院だけでなく、
在宅での関わりとしても今後、重要になると思われます。
リハビリだけの関わりではなく、人としての関わりが重要になる分野であり、
マニュアルがなくとても難しい半面、とても勉強になるとともに
やり甲斐のある分野であると強く感じました。
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