いつもお読みいただきありがとうございます。
セミナー事業部の久保田です。
7月8日は大阪にて、動きのコツ研究所から生野達也先生にご登壇いただき
【新人のための脳卒中片麻痺に対する運動学習~立位から歩行まで~】
セミナーを開催させていただきました。
患者様の歩行動作を見てイメージできますか?
あなたは数々の患者様の歩行動作を評価されてきているはずです。
その患者様をイメージしてみてください。
どのような歩き方をしていますか?
- ぶんまわし歩行
- back knee姿勢
- 尖足歩行
…などいろいろな歩行姿勢があると思います。
それらの問題点はあなたは理解できていますか?
リハビリをする上で、身体の体性感覚や
イメージ力というものはとても大切になります。
患者様の床に接地している足部の感覚や視覚からの情報を、
あなたは十分評価していかなければいけません。
脳血管障害を患っている患者様は感覚が鈍く、
運動イメージが作れないから力が入らないという
メカニズムに陥ることが多く見られます。
そのため麻痺側を使わず、健側ばかりを使用する方を臨床で
見かけることは少なくありません。
健側ばかり使用するのではなく、麻痺側から得られる情報を有用的に使用して、
しっかり体性感覚を通じてフィードバックさせることが、とても重要なのです。
体性感覚からのフィードバックを得て脳が調節をするのですね。
あなたは言葉で患者様を誘導できますか?
今回のセミナーのメインテーマは
患者様の体性感覚を自身で理解させてイメージ力を付ける
ということでした。
そのためにセラピストは徒手的に誘導することもそうですが、
口頭指示を用いて誘導していくことも学んでいかなければなりません。
立位姿勢から立脚相に誘導する際に、あなたはどのように言葉で誘導しますか?
「踵に乗ってる体重を前に持ってきて~」
というように説明したことはないですか?
実はこの説明だと、そもそも足を前に
どう持っていけばいいかわからないという
患者様もいらっしゃるとのことです。
前に持ってくる、勢いよく持っていく
ということは患者様にとってとてもハードルの高い行動でもあります。
そこで重要なのがセラピストの言葉かけ!!
今日の実技は被験者側は踵接地(以下IC)から立脚中期(Mst)にかけての
足底面にかかる感覚を自分で理解するということでした。
また、施術者側はIC~Mstにかけての誘導を徒手的にではなく、
口頭で誘導していくことも行っていただきました。
その時の声かけとしては
- ゆ~っくり持ってきて
- ジワーッとつま先に重心を移動させて
- スーッと転がすように・・・
このように擬音語を使うと
被検者側はイメージをしやすいのです。
これは今回の受講生の皆様も体感されたのではないでしょうか。
実際の指示と患者様の行動が一致しない一幕
セミナー会場でも体験しましたが、
実際に口頭で誘導しようと思うと、案外難しいものです。
明日から臨床の場で、声掛けや誘導に関して
ひと工夫する、少し違ったアプローチを考えてみる、
たったそれだけでも、あなたの臨床のスキルは向上するかもしれません。
足の裏の感覚を言葉で表現する、
これはとても難しいかも知れませんが、
いろいろ試行錯誤して練習してみるのはいかがでしょう?
受講生様の感想を掲載!
- わかりやすく、今後の臨床に生かしていきたいと思いました。
- 筋緊張のコントロールが難しい方を担当したときに、大変苦労しました。今回のセミナーを通じて、少しでもCVAや片麻痺で困っている方の手助けができるように勉強していきたいと思います。ありがとうございました。
- 感覚が低下している患者様を担当したときに、足底入力の方法がわからないことが多かったので、今回学んだやり方をぜひ行ってみたいと思いました。
- 講義中心ではなく、実技中心だったので、実際に触れてみることでわかりやすく学ぶことができました。また少人数だったので、生野先生に直接教えてもらう機会が多かったことがよかったです。
- 今回、骨盤を触って足底のどの部分に重心が位置しているのか、その評価と治療の方法を教えていただき大変勉強になりました。ありがとうございました。
- 講義、実技中心でわかりやすく教えていただいてよかったです。
- 伝え方が大事だと思いました。意識一つで変わるということを実感したので明日から実践してみます。ありがとうございました。
- 少人数で実技も多く、講師の先生にも質問がしやすい環境だったのでやりやすかったです。
- 普段意識していない視点が学べてよかった。具体的にどうしたらいいのかが難しかった。
さて、次回の生野先生のセミナーは10月に大阪にて開催予定!
テーマは歩行動作の続きを中心にご講義いただきます。
今回、ご参加いただけなかった方にも是非とも受講していただきたいセミナーですし、
今回受講された皆様も、今回学んだことをベースにして次回も
受講していただけると習熟度が上がるのではないかと思います。

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