ヨガがリハビリテーションに取り入れられているのをご存知でしょうか?
様々な疾患に対して、効果があると考えられているヨガですが、
理学療法士や作業療法士がうまく臨床に取り入れている例は少なかったりします。
これから益々ヨガの有効性が臨床においても認められていくと思いますが、
弊社の理学療法士が現場でどう活かしていくのか、
どういった事例があるのかを紹介していきます。
- 妊娠、出産を契機にヨガを始める方も
- 中枢疾患のリハビリにもヨガの効果はあります
- 循環器のリハビリテーションにもヨガは有効です
- ガン患者にもヨガを取り入れるところも
- ヨガは高齢者との相性も非常に良いのです。
- リハビリテーションで取り入れるポイントと注意点
妊娠、出産を契機にヨガを始める方も
すでに産婦人科においては、産前産後ケアのために
ヨガを多くの病院で推奨しています。
妊娠中に「ヨガをやりなさい」と言われて
初めてヨガをしたという方が結構いらっしゃいます。
そして妊娠をきっかけにずっと続けている、という方も多いです。
マタニティヨガにおいては出産に向けての体力づくりを負担なく行え、
その時期に応じて必要な筋力をつけていくことができます。
産後においては、産後に起こりやすい尿漏れ、肩こり、骨盤の歪みなど
気になる症状軽減、予防に役立ちます。
中枢疾患のリハビリにもヨガの効果はあります
慢性期脳卒中患者に対して、ヨガを継続して受講させたところ、
- その前後でバランスが改善、
- Fear of Falling(転倒の恐怖)に「はい」と回答した被験者が有意に減少
- mRS で自立していると回答する人数が有意に増加
※Fear of Falling : 転倒の恐怖、転倒恐怖感
※mRS : 簡便な脳卒中評価スケールとして用いられている
QOLとバランス自己効力感が有意に改善した、との報告もあります。
不整脈に伴う心房細動のリスクの軽減につながるとの報告から、
脳卒中の再発リスクの軽減にも効果的と考えられます。
また、多発性硬化症に関しては有益な論文が複数寄せられており、
身体的苦痛の緩和・疲労感の軽減につながるとの報告もあります。
循環器のリハビリテーションにもヨガは有効です
心疾患患者に対してのリハビリテーションにもヨガが取り入れられています。
ある文献によると、介入前後でコントロール軍に対して
ヨガ群は、
- トレッドミル時間、VO2peak ともに改善
- 柔軟性も有意に改善
- QOLも介入前後で比較してトータルスコアと身体的サブスケールが有意に改善
との報告もあります。
自律神経系への影響もあるため、血圧や心拍数のコントロールに
対しても効果を発揮します。
食欲のコントロール、食生活の見直しなどにもつながるので、
生活習慣を改善することができ、再発のリスクの軽減にもつながります。
ガン患者にもヨガを取り入れるところも
がん患者に対しては、特に「がん補完代替医療ガイドライン」にも
ヨガが記載されるなど、かなり強くヨガの効果が期待されています。
がん患者に対して運動は、治療に耐えられる身体を作ることにつながります。
また別のメリットとして、倦怠感やうつの緩和があげられます。
また、実は患者よりもご家族など介護者のほうが
不安や睡眠障害を抱えていることがあります。
患者と介護者が一緒にヨガを受けることが両者にとって有益なのです。
米国臨床腫瘍学会(ASCO)のレポートによると、
患者からはヨガセッション中にがんのことを忘れられるのは良かった
という意見が寄せられ、また患者と介護者どちらからも、
新しいことを一緒に学んで楽しめたという声が聞かれています。
ヨガは高齢者との相性も非常に良いのです。
シニアヨガやロコモヨガなどの分野もあります。
高齢者の方に対しては、筋力・持久性・柔軟性にアプローチする必要があります。
そこに対してヨガは包括的にアプローチすることが可能です。
ヨガは他の多くの運動と比べて、負荷量の調整や軽減を行いやすく、
何らかの疾患を合併して既往を持っていることが多い高齢者の方にとって、
より個々のレベルに合わせた負荷量設定が可能です。
身体感覚にも意識を向けていくため、認知症の予防にもつながります。
また、ひとたび習慣づけになれば、それが日時の感覚を思い出させてくれたり、
ヨガが新しい楽しみ・生きがいとなってくれることもあります。
以前、担当させて頂いていた患者様の奥様は、
ほぼ毎日病院に顔を見せている方でしたが、
「火曜日の13時はヨガ!」と決めて、
その時間だけはお見舞いに来られませんでした。
その方の人生にとって、そこまで楽しみとして感じ、
QOLをあげるための手段としてヨガを取り入れてくださっていたことは、
とても嬉しいことです。
リハビリテーションで取り入れるポイントと注意点
リハビリテーションにおけるヨガは、
- アーサナ(ポーズ、座法)
- プラナヤーマ(呼吸法)
- 瞑想
を組み合わせたものを応用されていることが多いです。
ゆっくりとした動きを呼吸と連動させて行い、
身体感覚に意識を向けることによって、
身体機能だけでなく、精神面に対してもアプローチし、
心を安定させていく作用があります。
心疾患やがんなど、メンタルケアも重要となる疾患に対しての
ヨガの効果が見直されているようですね。
ただし、以上で取り上げた患者様や高齢者など、
一定のレベル以下の運動能力の方に対しては、
それ相応のリスクが伴います。
大人数のヨガスタジオや、ホットヨガなどは避けるべきであり、
ご自身で体調や身体機能に対して十分な注意を
払っていただく必要があります。
専門的な生理学・解剖学の知識を有し、適切/不適切なポーズを理解し
リスクを考慮して、クラスを組み立てることができる
指導者の下でヨガを行うことが重要となってきます。
なかなか病院内のリハビリテーションにヨガをそのまま取り入れることは
難しいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし補完医療としてヨガをプラスして取り入れることは
できるのではないでしょうか。
皆様もご自身の身体と心の健康のために、
一度ヨガに触れてみてはいかがでしょうか。
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