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【リハビリ×ヨガ】高齢者にも広がりをみせるヨガ

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今、高齢者にヨガが向いていると注目されています。

最近では、様々な形態・様々な場所でヨガ教室が開催されています。

例えば、地域センター、公民館でご近所の方に教えたり、

施設において「入居者」「介護スタッフ」のために教室が開催されたり、

デイサービスなどでもヨガ教室が開催されるなど、

多様なスタイルで広がりつつあります。

 

他のスポーツと違い、ご両親と一緒にできるのもヨガの良さのひとつですね。

チェアヨガなどのスタイルもあり、ご自身のレベルに合わせて

負荷量を調整することも可能です。

 

 

シニアヨガやロコモヨガなどの分野もあります。

高齢者の方に対しては、筋力・持久性・柔軟性にアプローチする必要があります。

そこに対してヨガは包括的にアプローチすることが可能です。

ヨガは他の多くの運動と比べて、負荷量の調整や軽減を行いやすく、 何らかの疾患を合併して既往を持っていることが多い高齢者の方にとって、 より個々のレベルに合わせた負荷量設定が可能です。

身体感覚にも意識を向けていくため、認知症の予防にもつながります。

また、ひとたび習慣づけになれば、それが日時の感覚を思い出させてくれたり、 ヨガが新しい楽しみ・生きがいとなってくれることもあります。

理学療法士・作業療法士はヨガをうまく使うべきです - EPoch Official Blog

 

 
高齢者にこそヨガの需要があるんです


65歳以上の高齢者人口は3461万人(平成28推計)で、

総人口に占める割合は27.3%となっており、

25%以上で超高齢化社会と言われる数値を大きく上回っています。

 

日本の平均寿命は着実に伸びています。

内閣府の調査によると、日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、

平成25(2013)年時点で男性が71.19年、女性が74.21年となっており、

それぞれ平成13(2001)年と比べて延びています。

 

しかし、その延び率は、同期間における平均寿命の延びと比べて低くなっています。


健康寿命と平均の差を埋めること、つまり高齢者の健康を追及することが、

今後の重要な課題とされています。

 

日本のヨガ人口770万人、毎年新しくヨガを始める人は100万人とも言われています。

対して、アメリカのヨガ人口は約3670万人です。

 

日本のヨガのスタイルはアメリカに追随する形をとっており、

今後アメリカと同じくらいの規模に

日本のヨガが発展していく可能性は大いにあります。

 

アメリカのYoga Allianceが行なった調査によると、

北米ではヨガクラスの平均年齢が、70代というクラスが29.4%、

70代後半から80代というクラスが18.3%を占めています。

 

ヨガは高齢者の方々にも十分安全に楽しんでいただける運動であり、

老後の新しい趣味として人気を高めています。

 

ヨガの資格にも変化が

 

その需要の高まりに合わせ、シニアヨガインストラクターの資格を

取得する方も増えてきています。

高齢者の方が運動をするには若年者よりもリスクが伴います。

膝や腰など、どこかに痛みを抱えていたり、合併症や基礎疾患を持つ割合が多く、

中には禁忌動作に注意しなくてはならない場合もあります。

それぞれにあった軽減法やクラスのレベルを調整していく必要があります。

安全面に配慮することができ、できれば解剖学の知識を持って対応できることが望ましいです。

 


高齢者にとって、身体機能を高めるためにヨガはとても効果的です

 

高齢者の方に対するヨガの身体的効果としては、

筋力・持久性・柔軟性に包括的にアプローチできることがあげられます。

 

ある研究では、対照群と比較して

ヨガ群は、椅子立ち上がりテストと4mの高速歩行では、

介入群のほうが有意に速く、

閉眼片脚立位ではより長く立つことができ、

立位バランスにおいて有意な改善が見られたとの報告もあります。

 

また別の研究においては、

ヨガ群の上半身の可動域・下半身の可動域、は待機群よりも有意に改善した。

ヨガ群における体脂肪率と呼吸率は、待機群よりも有意に減少した。

さらに、ヨガ群の歩行速度と敏捷性は、待機群よりも向上した。

という報告もあります。

 

高齢者や虚弱な人も、身体活動を増やすことで、

身体機能が改善されることは証明されています。

特に低負荷高頻度、軽い運動を毎日続けることが効果的です。

 

高齢者の方は、若い年齢層の方よりも、

日常生活をルーティンワークとしてはめこむこと、

規則や順序に準じて動くことに慣れています。

だから週1回のヨガクラスに休まず来ることが苦痛ではなく、

習慣づけることが得意なのです。

 

ヨガは、継続することがとても重要ですが、

高齢者の方はヨガに向いているのかもしれません。

 

 

ヨガのクラスを継続して受けさせたところ、

複数の認知機能テストの成績が改善したとの報告もいくつか寄せられています。


身体感覚に意識を向けたり、ポーズ名を覚えたり、

呼吸法を丁寧に行ったり、考える・意識す機会が多くあります。

 

 

高齢者にとっての「幸福」をヨガで提供できます

 


高齢になっても心身の障害がなく、

いつまでも自立した幸せな社会生活を送ることを

「サクセスフル・エイジング(健やかな老い)」と言います。

幸福の程度を決める条件は、「健康」「経済的安定」「家族」です。

 

この「健康」は、単に身体機能の健康だけを指すのではなく、

心身ともに健康であることを指すのだと思います。

 

高齢者の心身の健康を高めるために必要なこととは何でしょうか。

  • 生活の中で続けられる運動を取り入れること
  • 安全であること、怪我をしないこと
  • 食事が美味しく食べられること
  • よく眠れること
  • 人とのつながりを実感できること

などがあげられます。

 

そして、過去や未来への不安ではなく「今」を生きていることに感謝できることです。

ヨガによる睡眠や食欲に対する効果は広く知られています。

クラスに行くことで、同じクラスを受ける方々との交流ができ、新たなコミュニティの構築にもつながります。

 


高齢者の方が、何かを始める、特に運動(ヨガ)をするとなった時に、躊躇してしまう理由には、

  • 身体が思うように動かない
  • 動きが速くてついていけない
  • 腕が上がらない、腰が曲がらない(可動域に制限がある)
  • 耳が聞こえない、ポーズが理解できない

など不安感によるものがあげられます。

 

いざ新しいことを始めようとしても

その不安によって躊躇してしまい、参加の場から遠ざかったり、

引きこもってしまう悪循環となります。

しかし、クラスで味わってほしいのは、「自分もできた」「気持ちよい」「元気が出る」「楽しい」というフィーリング、つまり成功体験です。


何かを成し遂げるという体験が、年を重ねるごとに減っていきます。

ヨガの中には、そのような小さな成功体験がたくさん含まれています。

成功体験の積み重ねが、自信を生み出し、活力を与えるのです。


何より、それらが総合的に生きがいを作り、

QOLを高める効果があるのではないかと考えます。


始めるのに早いも遅いもない。
「始めたい」と思った時がはじめ時なのではないでしょうか。

 

 

 

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