心臓は1日に約10万回もの拍動を繰り返します。
人生80年とすると、なんと30億回という天文学的な数字に達します。
これだけ心臓は絶え間なく収縮と弛緩を繰り返しているわけですから、
生涯を通じて一糸乱れず心臓の正常なリズム(調律)を保つことは、
まさに至難の業と言えます。
そんな心臓も時を重ねると正常なリズムを保つことができない病気にさらされることがあります。
そこで、心臓ペースメーカーの出番です。
ペースメーカーとはどのような症例に適応されるのか?
まず、ペースメーカーと植え込み型除細動器の違いについて説明します。
簡単に説明すると、
ペースメーカーは『徐脈』
植え込み型除細動器は『頻脈』に適応されます。
意外と同じように表現されることがありますが、
適応が異なることを今一度理解しておきましょう。
徐脈の場合は興奮信号を発する機能(洞結節)が悪くなるどう不全症候群と電気の通りが悪くなる伝導障害(房室ブロック)に分けられます。
頻脈の場合は電気の流れがぐるぐる回転することで発生します。
このような異常な回路が心室にできてしまうと、心室頻拍、心室細動といった生命に関わる頻脈となります。
心室頻拍、心室細動などの危険な頻脈がそれに当たりますね。
従来のペースメーカーと新しいペースメーカーの違いとは?
ペースメーカーは電池で動くものですからもちろん寿命がありました。
おおよそ7年程度で交換が必要になっていたようです。
逆に早く消耗する場合も考えられ、最近は、コンピューターにより心臓の状態に最適化した出力に自己調節するタイプもよく使われるようになってきました。
この最適化は結果としてペースメーカーの電池寿命の延長に寄与し、最長では理論上20年近く使用可能なものもあると言われます。
寿命が近づくということは、それを交換しなければいけないということです。
交換するためにはもちろん手術が必要になるのですが、新しいペースメーカーは手術をしなくていいのです。
つまりこれが実用化されると半永久的に埋め込んだまま生活ができるということです。
新しいペースメーカーはどういう原理なのか?
ペースメーカー本体から心臓へ電気刺激を送るための導線(リード)部分に圧電性を備える柔軟な樹脂製フィルムを取り付け、フィルムの一端だけを固定する構造を考案。フィルムは心臓の拍動に反応して動き、電力を発生させた。(記事本文を引用)
つまり、心臓の動きを運動エネルギーに変換して電気を貯蓄するという理論ですね。
過去に道路で車が通るとその振動を電気に変換する技術が編み出されたと思いますが、その応用でしょうか。
物理学の世界になるので、私は少し苦手になりますが、このような技術が医療にもどんどん取り入れられるようになると、
これからの医療もめまぐるしく進歩していきますね。
リハビリの現場でも新しい技術がどんどん取り入れられるようになると思いますので、
時代において行かれないように、私たちは常に新しい知識を取り入れていかなけえばならないと感じました。