「現場の状態を知らない」
「理想論ばかり語りすぎ」
などといった文句が多方面から聞こえてきそうな予感がしそうな記事を
先日の記事で見つけてしまいました。
問題となっているのは、先日神奈川県横須賀市の講演会で
「アメリカなどでは、予防接種は薬局でやるもので、病院には行かないが、日本では法律で医療行為は医師しかしてはいけないことになっている。看護師や薬剤師にできることがもっとあるはずだ」
と述べ、医師の負担を看護師や薬剤師に分散させるべきだと主張した一件について。
現実問題、予防接種などは医師が実施しているが
それを看護師に一任しようという発言になっている。
そもそも医師の業務内容をコメディカルに分散させることで負担軽減につながるという考え方について考えてみました。
医師不足について考えられているか?
そもそも、昨今の記事でもたびたび取り上げられている医師不足についてですが、問題は医師の都市部に集中してしまうということにある。
医師不足の原因は2004(平成16)年度から「臨床研修制度」が導入された結果、発生したようです。
この制度は医師免許の取得後に2年間、診療研修を積む制度で、それ以前の研修は出身大学の医局を中心に行われていました。
それが同制度によって研修医が研修先の病院を自由に選択できるようになり、症例が多く勤務条件の良い都市部の民間病院に希望が集中し、大学病院が働き手の研修医を確保しにくくなったとのことです。
地方と都市部で状況は異なる
話を戻すと「医師の負担が大きすぎる」ということでしょうか。
ようは予防接種を「訪問した先で医師が行う」ような場合に、看護師が対応できるようにということだと思います。
地方の開業医は訪問診療を行う際に自院を休診して訪問に出かけなければならず、
時々クリニックや診療所前で長蛇の列を見かけることがあります。
その間の患者様を診療しきれない、訪問に間に合わないといった問題を解決しなければいけないということではないでしょうか??
都市部では基本的に少し動けば病院はありますし
そのような予防接種も病院で受けることができますが
地方では訪問診療の負担が大きいですよね。
看護師の仕事内容は多岐にわたる
私は急性期から訪問までの現場で働いていたので、現状看護師さんの忙しさについてはかなり大変だなと感じていることはあります。
現場でてんやわんやをしている状況で、新しい業務内容を振られるとどうなるのか・・・といった懸念もわからなくもありません。
ですが、今回の記事では「看護師に業務委託を」という部分だけがクローズアップされてしまっているように感じます。
(現状はわかりませんが。。。)
その前後にこのような問題点について言及されているのか、
それとも言及せずにこのような発言だけされているのかはわかりません。
今までの小泉信次郎さんの発言についての民衆の意見を総括すると後者のような気がしますが
きちんと現状を理解して、対策を取っていただければと思いますね。