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『肺炎はあなたが予防する』下側肺障害を考える

いつもご覧いただきましてありがとうございます。

エポックセミナー事業部の久保田です。

 

長期臥床になると、下側肺障害を起こしますよね。

それについて、あなたはどのようなアプローチをしていますか??

 

 

 

長期臥床が呼吸系に及ぼす影響とは?

 

このブログでは【呼吸】というものが

どのようなメカニズムで起こっているのか、

その時の生理学や運動学はどのようになっているかを、

考えてみたいと思います。

 

その中でも、急性期術後の患者様やICUの病棟において、

絶対安静を強いられる患者様はどのような状況にさらされているか

ということについて書いてみたいと思います。

 

絶対安静は

  1. 肺胞気酸素分圧の低下
  2. 肺内シャントの増加
  3. 動脈血酸素分圧の低下
  4. 機能的残気量の低下
  5. 下側肺障害

これらの状態を引き起こします。

 

特に下側肺障害とはARDSなど急性肺障害で、下側になった肺領域に限定して現れる浸潤病変、重力に近い側に形成される肺水腫、分泌物貯留、無気肺などが混在する状況のことを言います。

 

長期の臥床が続くと重力によって後方の組織を圧迫してしまいます。

それは循環障害だけではなく、肺の中でも臓器による圧迫が起こり、肺胞が潰れてしまいます。

 

そうすると正常な換気を行うことができず、下側肺障害を引き起こすのです。

 

 

下側肺障害を改善させるためには?

 

ではどのように治療を行うと良いか、についてご説明する前に、

いまいちよくわからん、という方はおられませんでしょうか?

 

 

私は臨床時代によく後輩に呼吸の勉強を教えていたことがありました。

その際によく例えていた内容としてはペットボトルに半分だけ水を入れて

それを横向けにした状態で下側肺障害を説明します。

 

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(こんな状況ですね)

 

 

これは水だけですが、その水を撹拌させるためには

どうすればいいかを考えてもらいます。

 

簡単な方法としてはペットボトルを揺らす、

逆さまに向けるなどが挙げられるでしょうか?

 (こうすれば下側に溜まった水が撹拌されますね。)

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呼吸リハについても同じことです。

 

腹臥位を取り入れたり呼吸介助手技を併用したりすることで

治療していきます。(ここから後半の実技に突入しました)

 

 

 

この方法がわかれば、あとはどこに下側肺障害が起こっているかを確認し

それを逆さまに向けやすい方法を考えればいいですね。

 

 

呼吸介助手技を学ぼう。

 

 

呼吸介助手技を行う目的としては

 

  • 分時換気量を増加し、酸素摂取および炭酸ガス呼出を促進する。
  • 低下した肺胞換気および無気肺の改善。
  • 換気量の増加に伴い気道分泌物の移動、喀出の促進。
  • 胸郭の可動性と柔軟性を維持、改善。

 

です。

 

 

ここで重要なことはガスの呼出を促進することです。

呼吸介助は「介助」であり、負荷になってはいけません。

 

胸郭は人体の中でも感覚が敏感な部分です。

そこを介してアプローチを行うため、少しの刺激でも負担になる可能性があります。

そのためファーストコンタクトや介助方法については

慎重にならなければいけません。

 

 

 (触り方一つとっても大切ですね)

 

 

特に体位排痰法では側臥位や前傾側臥位を行うことで、

痰の喀出が出ますし、そこから呼吸介助手技を併用することで

きちんと喀出できたという結果が現れるわけです。

 

それらがないということは評価内容が間違っているということになります。

きちんとフィジカルアセスメントを捉え、

結果を残せるようにしていきたいですね。

 

 

 

 

これからのセラピストは急性期だけではなく療養でのリハビリについても求められます。

そのときに必要なのはフィジカルエグザミネーションです。

呼吸器疾患の特徴や心疾患の特徴、病状が悪化したときに見られる兆候などを

以下に捉えて適切な対応が取れるかが求められます。

 

これらを徹底的に学べる場所はなかなかありませんので

ぜひご参加お待ちしております。