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痛みのメカニズムは◯◯が大きく関与していた

前回、私がどのような経験から「痛み」と向き合うようになったかをお伝えしました。

 

 

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今回は、痛みを調整するメカニズムについて少しお伝えできればと思います。

 

《目次》

  • 痛みの訴えにムラがあるのは気持ちのせい・・?
  • 下降性疼痛抑制系
  • ドーパミンシステム

 

こんな対象者の方を経験した事ないですか?

 

・その時は痛みがよくなるのに、すぐに元に戻ってしまう。

・痛みが軽減してきているの、病棟では全く動いてくれない

・夜眠れなかったり不安な事があると痛みが強くなる

 

気持ちの問題・・・だけで済ませていませんか?

 

これには痛みを調整するメカニズムが大きく関与しています。

 

ここでは、痛みを調整するメカニズムの中でも代表的な下降性疼痛抑制系とそのメカニズムが働きやすくする為に必要なドーパミンシステムについてお伝えできればと思います。

 

  • 下降性疼痛抑制系

痛みを調整するメカニズムの中で最も知られているのが、この下降性疼痛抑制系ではないでしょうか。

その中心にあるのが中脳中心灰白質(PAG)になります。

中脳中心灰白質(PAG)は、下記のように様々な場所から入力を受け脊髄後角に対し下降性に疼痛を抑制します。

 

 

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では、どのような条件が揃えば下降性疼痛抑制系がしっかりと働くのでしょうか。

 

例えば、上図を見ると内側前頭前野から中脳中心灰白質へ入力されている事がわかります。

 

少しだけ前頭前野について簡単にまとめてみましょう。 

 

前頭前野は、背外側部、腹内側部、眼窩部の3領域に分けられます。

背外側部は注意機能やワーキングメモリといった認知面の機能を有し、腹内側部と眼窩部は情動のコントロールを担っています。

背外側部と腹内側部・眼窩部の活動は互いに抑制関係にあり、どちらか一方が活動すると、もう一方の活動が抑制されることが分かっています。

 

多くの研究で、慢性痛患者の多くは、内側前頭前野に過活動を認めたと報告されています。

 

どのようにすれば内側前頭前野の過活動を抑制する事ができるのでしょうか?

以下の研究結果を基に少し考えてみましょう。

・ポジティブな再解釈は背外側前頭前野の活動が増大 (Wager2008)

・与えられる痛み刺激を自分で止められる(Self条件)と他者やコンピューターによって止められる(external条件)ではSelf条件群で主観的な痛みが小さく背外側前頭前野の活動高い

(Wiech2006)

 

 

 

 

 

 

 

 

つまり、疼痛が自分自身でコントロールできる事や現状が自分にとってプラスと解釈できる事が必要となり、それにより背外側前頭前野が活性化され内側前頭前野の過活動が抑制されるといったメカニズムが見えてきます。

マッサージをして「楽になりましたね」だけでは不十分という訳です。

ご自身で痛みを改善できるような自主練習までのプロセスや「ここまでなら動いても痛くない」といった自身の身体を正確に理解していくような関わりが必要になってくるという事です。

 

  • ドーパミンシステム

ドーパミンシステムがしっかりと働く事で、脳内麻薬とも言われている内因性オピオイドが活性化され、下降性疼痛抑制系が賦活されます。

 

では、どのような時にドーパミンシステムが働くのでしょうか。

 

大きくは以下の二つになります。

 

①痛みが加わった時

侵害刺激により過剰な痛みとならない様にコントロールしています。それにより身に降りかかってきた危険を回避する事が可能となります。

②報酬系が働いた時

報酬系とは、ある種の適応行動を評価し行動を強化する事にあるされています。

 

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痛みのある対象者に対しては、常に目標と結果の関係が「正の強化」になるように、細かな目標設定が必要となります。最初から積極的に「ゴール」や「ニード」の話をし過ぎない方がいいかもしれませんね。

また、「眠れない、疲れがとれにくい」といった自律神経症状やうつ症状がある方ではドーパミンシステムが働きにくくなる事もわかってきています。こういった面からもリハビリの時だけでなく病棟や家族とも協力しながら包括的なケアが必要になりそうですね。

 

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