これを読んでくださっている皆さんは、
理学療法士や作業療法士、はたまた柔道整復師や鍼灸師や看護師など
国家試験を通過してこられている方々なので
運動療法という分野においてスペシャリストだと思います。
ということは運動生理学についても理解を深めておられますよね?
運動に生理学がつきものであることは理解できるはずです。
この生理学をおろそかにしてしまうと
リハビリの重要な運動療法という面において、効果的なリハビリを提供できないばかりか、逆に運動療法中に様々なリスクを与えてしまう可能性があります。
- なぜ呼吸数が増えるのか?
- なぜ心拍数が増えるのか?
- なぜ血圧が上がるのか?
これらを生理学的に説明できるように今日は解説したいと思います。
運動療法で心拍数の上昇の理由を生理学的に考えてみよう
一つ、血圧上昇のメカニズムについて目を向けてみましょう。
血圧は心拍出量の増加と末梢血管抵抗の増加によって上昇します。
心拍出量の増加には、腎機能の低下などにより体内のNaが増加し、
体液濃度を一定にするために水分が増加し、
これに伴い血液が増加することが関わっています。
末梢血管抵抗の増加には、動脈硬化により血管内腔が狭くなることなどが影響しています。
そして、心拍出量の増加と末梢血管抵抗の増加の両方に
交感神経の活性化が関わっています。
交感神経が活性化されると交感神経末端や
副腎からカテコールアミンが分泌します。
カテコールアミンは直接的に心拍出量の増加、
血管収縮による末梢血管抵抗に関わるほか、
腎臓に働きかけてレニンに代表される昇圧ホルモンの分泌を促すことで血圧を上昇させるのです。
では実際、階段昇降をしている場面を想像してみてください。
私は先日訪問先の家で31階の階段を登りました。
いえ、登り切ろうとして断念しました。約10階ほどで。
そうすると心臓が飛び跳ねるくらいドクドク言っているのがわかります。
この時に何が起きているかというと、末梢血管を意図的に収縮させたわけですね。
筋収縮という手法を使って。
この際の血圧の上昇のメカニズムを理論的に理解できていれば、
運動中の血圧の低下やチアノーゼ症状などの理論を説明することは
さほど難しくはないですよね?
私たちの運動には生理学がつきものです。
筋の収縮過程一つ、呼吸のメカニズム一つとっても生理学が欠かせません。
最近では呼吸リハ、心リハを切り離さずに考えるという概念が浸透してきています。
特に高齢者のリハビリを担当している理学療法士や作業療法士にとって
運動生理学の理解は、患者様の息切れや心拍数の上昇
血圧の上昇など様々なフィジカルサインの理解に繋がります。
運動療法を行う上で有効限界や安全限界という言葉があるように
効果的なリハビリを提供するためには、
患者様が安全で、「無理のない範囲」を客観的に理解しておかなければいけません。
そのために運動生理学を学ぶのです。
心不全を考えるうえで心臓機能を考えるのは当たり前ですが
肺機能や筋出力のメカニズム、その他の病理学も
きちんと考えるような癖をつけていかなければいけませんね。
そしてそれらは運動と密接な関係があります。
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臨床を理解するためには『解剖学』と『生理学』が重要だと
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運動療法を効果的に提供するために、ぜひ学んでみてくださいね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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