介護疲れという言葉を知っていますか?
汗だくになりながらオムツ交換をしたり、
息をきらしながら起き上がりを介助したり、
毎回120%の力で介助していては、長く続く介護を続けていくことはできません。
介護疲れを引き起こす大きな要因の一つは、介助量の多さにあります。
だからこそ、最小限の力で自分も相手も安全に介助する方法を知ることが必要です。
以前の記事「介助者の負担が3割減る 起き上がり介助のチェックポイント」 では、
起き上がりの介助において、
起き上がりを段階的に見て、どこを介助するべきなのかどうか
見るべきポイントをお伝えしました。
あなたのご家族や患者さんはどこに当てはまりましたか?
どこで介助しなくてはいけないのかわかったら、その段階だけにポイントを絞って介助をします。
しかし介助する人にとっても、介助しやすい姿勢やポジションというものがあります。
無理な姿勢で介助しようとすると、余分につかれるどころか、腰痛などの原因になってしまいます。
介護で腰痛にならないためにはどのようにすればいいのでしょうか?
介助者の立つ位置・手の位置
起き上がる側の手を斜め下くらいに伸ばすようにし、
その腕に沿って介助者も立ちましょう。
手のひらがあるくらいの位置がちょうどいいです。
手を添えるところですが、
まちがっても腕を引っ張るようなことをしてはいけません。
まず、
片手は頭~肩を覆い、
もう一方の手は骨盤を持ちましょう。
頭側の手は起き上がる方向を誘導する手なので、腕の方向に沿って引き寄せていきます。
骨盤を持つ手も重要です。
お尻が左右ともベッドにつかなければ完全に起き上がった、座ったとは言えません。
骨盤が浮いてこないようにベッドの方向へ押して誘導してあげましょう。
肘をつくところまで行けたら、骨盤を持っている手は反対側の肩に回し、後ろに倒れないようにガードしておきましょう。
起き上がりを介助する時のチェックポイント
①起き上がるスペースはあるか
ベッドの端ギリギリに寝ていたら、いざ起き上がろうとすると落ちそうな気がして恐怖心を感じてしまいます。反対側の手がベッドの柵に届くくらいの距離であればじゅうぶんなので、できるだけベッドの端と体の間にスペースを作ってあげましょう。
②起き上がる側の腕の位置はどうか
腕が体にピタッとつけすぎていると重心を移動させて支えにすることが難しくなります。
なので、わきの下に少し隙間ができるように体から離すようにしましょう。
③ベッドの高さ
介助をする際、低すぎると腰をかがめすぎてしまい腰痛の原因になります。
逆に高すぎると腕の力ばかりに頼ることになり、うまくパワーを出すことができません。
自分のおへそより少し下くらいの高さにベッドの高さを設定しましょう。ただし、あまり高くなるようであれば、起き上がった際に足が床に届かず、ずり落ちの危険性があるので考慮が必要です。
起き上がりを介助する時に気を付けたい誘導の方向
横向きになったら、
そのまま真横(上方向)へ起こそうとすることが多いと思います。
しかしそれだとご本人の力が発揮しにくいため、介助者の負担が大きくなってしまいます。
腕の方向・介助者の方に向かって体を起こしてもらいましょう。
そしてできるだけ
胴体を頭から丸めていくようなイメージ
で行います。
そうすると
頭→肘→手の順に
支えを移しやすくご本人がご本人の力で体を起こすことができるようになってきます。
自分の体の使い方ひとつで介助量は100㎏にも10㎏にもなります。
何より一番のコツは力任せにやらないことです。
介護する側もされる側も安心・安全にできる介助を身に着けたいですね。
本当にその人にとって必要で最適な介助方法というのは1人1人違います。
少しでも不安なら、
専門の理学療法士や作業療法士など、リハビリのスタッフに相談してみてください。
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