- もう立ち上がりの介助で転倒させたくない
- 立ち上がり動作のポイントは十分な体幹の前傾が必要
- 立ち上がり動作を介助するのは離殿時のみと覚えよう
- 立ち上がり動作で気を付けたい膝折れのリスクとは?
- 立ち上がり動作を介助するポイントは円を描くようにすること
- 立ち上がりを介助する前にチェックしておきたいポイント
- 立ち上がりをサポートする福祉用具とは?
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もう立ち上がりの介助で転倒させたくない
臨床現場で患者様をベッドや車いすから立ち上がらせる介助は
頻繁に行います。
しかし日々の業務に追われて、うまく移乗介助ができず
- 「立ち上がったら膝が折れて転びそうになった」
- 「力いっぱい介助しようとしたら腰を痛めてしまった…」
- 「ベッドに座らせたのにずり落ちそうになった」
こうした経験をしたことはありませんか?
寝返りや起き上がりと比べると
立ち上がり動作の介助は
転倒の危険性・転倒した時のケガのリスクが増大します。
あなたが無理な方法で介助を続けていると
介助する側が身体を痛めてしまうリスクも高くなります。
そして無理な介助は患者様本人も動きづらく、なかなかしんどいものがあるのです。
無理な介助で負担が掛かり続ければ介護が嫌になる大きな原因にもなります。
だからこそ
より最小限の力で介助される側も怖がらず
立ち上がれる方法を知っておくことが大切です。
正しい立ち上がりの介助方法とは?
エポック理学療法士がお伝えします。
立ち上がり動作のポイントは十分な体幹の前傾が必要
座っている状態から立ち上がるには、
上方向にだけ重心が動くわけではありません。
座っている状態では「臀部(お尻)」に体重が乗っている状態ですが、
立っている姿勢では「足底(足裏)」で身体を支えている状態になります。
そのため、お尻から足裏へ重心を移動させる必要があります。
座っている状態では、
お尻よりも前に足裏があります。
座っている状態では上半身はお尻の上
立っている状態では上半身は足の上に伸びています。
つまりどうしたらいいのかわかりますか?
重心を臀部から足部へ移動させなければ立ち上がることができません。
「上半身を前にかがめる・前傾させる」
立ち上がりでまず最初に忘れてはいけないのがこの動きです。
立ち上がりの自然な動きの中では、
重心を「上で」はなく「前」に移動させる動きを取る、
という所が重要なポイントです。
立ち上がり動作を介助するのは離殿時のみと覚えよう
体を前傾させて重心を少し前に移したら、
いよいよお尻を持ち上げて立ち上がります。
ですが、ここからすぐに上に重心を上げようとすると失敗してしまいます。
体を前傾させるだけでは、実はまだ立ち上がり動作には不十分です。
筋力が十分ある健康な人は、
ここから脚の筋力によってお尻を持ち上げて足裏に完全に重心を移すことができますが、
筋力(特に股関節周り)が低下していたり、麻痺があると
お尻を持ち上げるのが難しくなります。
立ち上がりの中で介助が必要となるのは、多くがこの部分です。
大切なのでもう一度言いますね。
立ち上がりの中で一番介助が必要なのは
「お尻を持ち上げる瞬間」です。
逆を言えば、
この一瞬さえ介助していれば、たいていの人は立ち上がれる、
ということになります。
最初から最後まで100%の力で介助する必要がなくなるので
介助する側の負担はぐっと下がります。
立ち上がり動作で気を付けたい膝折れのリスクとは?
お尻が上がったとしても油断してはいけません。
立ち上がりの中で一番転倒しやすいポイントはここからです。
お尻が上がったら重心をさらに上に持ち上げていく段階。
膝を伸ばし、体を起こし、一番筋力を必要とする段階になります。
自分の身体を十分に支える筋力が無ければ、
膝を伸ばして身体を持ち上げることができず、
ガクッと文字通り「膝折れ」をしてしまうことになります。
筋力低下があるのであれば、
杖や手すりなど、自分の腕の力も使って支えることも必要になります。
ご本人の腕の力があるのであれば、
この段階での介助はお尻を上げるタイミングと比べてそこまで必要ありません。
- 筋力低下があって膝折れをする可能性があるか?
- 手すりを持ったら一人で体を支えられるか?
- それとも腕も力も無いので介助が必要なのか?
個々の能力や調子によっても差が出ます。
担当のリハビリスタッフにきちんと評価してもらい、
どのようなリスクがあるのか確認しておく必要があります。
立ち上がり動作を介助するポイントは円を描くようにすること
寝返り・起き上がりの介助のブログでもお伝えしていますが、
全ての動作において、介助のポイントは
「本人の動き・自然な動きを邪魔しないこと」
です。
何を邪魔しないのかというと、
「重心の移動方向」
です。
立ち上がりの介助においては、
重心はこのように前方向から上方向へ弧を描くように動きます。
介助者となるあなたは、
この矢印に沿ってレールから外れないように誘導することが大切です。
このレールから外れなければ立ち上がりの介助量は1/2になると言っても過言ではありません。
しかしこのレールから外れてしまうと、介助量は一気に5倍にも10倍にもなってしまいますので気をつけてください。
もし患者様自身が、どのような立ち上がりをしているのか
どうやって立ち上がり動作をすればいいのかわからないという場合は
タブレット端末や携帯で動画を撮り、視覚的にお教えするのがいいかもしれませんね。
一度活用して見ていただけたら。
座った姿勢が、左へ傾いている。
立ち上がりの時の前方への重心移動が不十分である。
こんなことを伝えるのは、実際に自分の状態を見ていただくのが理解してもらいやすいです。
立ち上がりを介助する前にチェックしておきたいポイント
いざ立ちましょうと思っても、
それは十分な力が発揮できる姿勢でしょうか?
実際立ち上がる前には「準備」という段階もとても重要です。
立ち上がる前に次の3つのポイントをチェックしておきましょう。
足の裏は床についているか
立って足裏で踏ん張れるのに
足がプラプラと浮いている、という場面が良くあります。
きちんと体を支えるための土台をまずは作りましょう。
浅く腰掛けているか
お尻が重たい、という場合、
お尻から太ももにかけてどっしりと深く腰掛けすぎている、ということがあります。
深く座っているとそれだけお尻側に体重が乗りやすく、
前の足裏の方へ体重を移していくのが難しくなります。
背もたれにもたれていないか
体を前かがみにしようとするなら背もたれに背中がついているなんてありえないですよね。
はじめに話した、お尻を上げる前にやらなくてはいけないことができていれば、
これが間違っている状態だとすぐ気づくはずです。
立ち上がりをサポートする福祉用具とは?
トイレで大活躍!「L字手すり」
トイレなどで良く設置されているのがこのタイプの手すりです。
なんで横向きだけ縦向きだけの手すりではなくL字型なのか?
それは先ほど話した重心の移動方向に関係します。
立ち上がりには「縦」と「横」
両方向への重心移動が必要になります。
まずLの横の部分で前方向へ重心移動を手助けし、
Lの縦部分で上方向へ体を持ち上げるのを助けてくれます。
1つで2つの力を助けてくれるのがL字型の手すりなのです。
壁がないところには「置き型手すり」
立ち上がりたい場所の多くは
リビングやダイニング、
壁のない所ばかりです。
座っているのがソファだったとしたら、
手すりの代わりになるひじ掛けもついていません。
そこで活躍してくれるのが据え置き型の手すりです。
これがあるだけで介助の必要がなくなることもあります。
いかがでしたでしょうか?
皆さんの普段の介助方法は合っていましたか?
今回のコツを頭の隅に置いて、
安心安全な立ち上がり介助を目指しましょう!
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