新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が延長され、先行き見えない戦いがいまだ続いています。
病院等の医療機関への影響は計り知れませんが、
あまり大きくピックアップされていないだけで、
訪問看護など在宅分野へも大きなダメージを与えています。
【関連記事】
- 訪問看護分野へのコロナウイルスの影響
- コロナウイルスによる訪問看護・訪問リハビリにおける問題点
- 新型コロナウイルス感染症に係る訪問看護の臨時的な取扱いについて
- 訪問看護ステーションに求められるコロナウイルス対策
- 訪問分野で働くリハビリテーション職種はどうなる?
訪問看護分野へのコロナウイルスの影響
日本訪問看護財団の調査によると、
すでに27か所で利用者の感染や疑いの事例が確認された
とのことです。
医療機関については
感染リスク増大の恐れ、患者が殺到することによる医療崩壊のリスクから、
安易に受診しないように、様々な場所で多くの専門家が呼び掛けています。
では、利用者さんが体調不良になって、
「コロナかもしれない」
と不安になったらどうしたらいいでしょう?
そこでおそらくまずはじめに頼りにするのは、
訪問看護師をはじめとする在宅サービスのスタッフではないでしょうか?
無症状・軽症患者は自宅療養するよう施策で取り決められ、
在宅療養におけるケアを訪問看護ステーションが担う可能性も
十分あります(実際にあります。)
現場スタッフの不安感は日に日に増してばかりです。
また、訪問看護事業所の52%が今年1月以降、
訪問看護の回数が「全体的に減った」と回答しました。
経営的に困窮している事業所も増加しています。
コロナウイルスによる訪問看護・訪問リハビリにおける問題点
①衛生用品の不足
病院などの医療機関に医療衛生用品は優先的に配布されます。
どうしても在宅の現場まで行き渡るには足らない状況が続いていました。
ただ、
日本訪問看護財団から「衛生材料および防護具等の安定供給についての要望」も出され、
世間的にも少しずつマスクの供給が復活の兆しを見せており、
状況は打開しつつあります。
②スタッフの不足
スタッフが感染した瞬間にそのスタッフだけでなく、濃厚接触となったほかのスタッフも勤務ができなくなります。
利用者さんに感染が発覚した場合も、その方に訪問していたスタッフは濃厚接触者となります。
一瞬でマンパワーがいなくなるリスクと隣り合わせなのです。
小さなお子さんを持つスタッフには休業補償などをつけることができれば最良ですが
人員的に難しい事業所も多いでしょう。
スタッフの希望を汲み取りながら利用者さんへのサービスの継続を行うための
対策が求められています。
参考記事:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200430/k10012411651000.html
新型コロナウイルス感染症に係る訪問看護の臨時的な取扱いについて
厚生労働省より「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」が出され、コロナウイルスによる影響に対してより柔軟な対応をすることが可能となりました。
Q.従業員の感染等により一時的に人員基準等を満たすことができない場合加算の算定等について柔軟な取扱いをしてよいか。
A.指定等の基準や基本サービス費に係る施設基準、看護体制加算等基準以上人員配置をした場合に算定可能となる加算については利用者の処遇に配慮した上で柔軟な対応が可能である。
→利用者の対応に問題がなければ人員基準を下回った場合でも、救済措置が出る可能性がある。
Q.新型コロナウイルスの感染が疑われる者へ訪問看護サービスを提供するにあたり、訪問看護サービスの提供が20分未満となった場合に20分未満の報酬を算定してよいか。
A.療養生活を支援するために必要となる最低限の提供を行った場合は、当該要件を満たしていなくても20分未満の報酬を算定することとして差し支えない。
→感染リスクをできるだけ下げるために、訪問時間を短くすることは可能(必要な処置が行える時間を確保する必要はあり)。
Q.利用者等から、新型コロナウイルス感染症に対する不安等により訪問を控えるよう要請された場合に、電話等で病状確認や療養指導等を行うことで、訪問看護費の算定は可能か。
A.まずは医療上の必要性を説明し、利用者等の理解を得て、訪問看護の継続に努める必要がある。
その上でもなお、利用者等から訪問を控えるよう要請があった場合の対応として、利用者等の同意を前提として、
・ 当該月に看護職員による居宅を訪問しての訪問看護を1日以上提供した実績があり、
・ 主治医への状況報告と指示の確認を行った上で、
・ 看護職員が電話等により本人の病状確認や療養指導等を実施した
場合には、20分未満の訪問看護費を週1回に限り算定可能である。
なお、提供する訪問看護の時間についてケアプランの変更が必要であることに留意するとともに、利用者等の同意取得及び電話等による対応の内容について、訪問看護記録書に記録しておくこと。
→電話での病状確認は可能。
引用元:
「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」〈訪問看護に係る事項まとめ〉|厚生労働省
訪問看護ステーションに求められるコロナウイルス対策
まずは利用者さんとの協力を
感染源は訪問スタッフ・利用者本人・そのご家族すべてがなりうると考えて行動する必要があります。
・毎朝・訪問時の検温
・コロナウイルス症状の確認
・利用者・ご家族が日々の体調を把握しておくこと
何よりもまず、利用者さんに異変があったときにパニックにならず、
落ち着いた行動(どこへ相談するのか、受診するのか)ができるよう、
できるだけ常日頃から指導や説明をしておくことが不可欠です。
スタッフを守る体制作りを
現場を回る看護・リハビリスタッフが少しでも欠ければ
在宅の分野でも医療崩壊は起こります。
・直行直帰
・時差出勤
・ミーティングの取りやめ
・スタッフ間の接触禁止
・衛生用品の支給の徹底
など、管理体制として感染予防の工夫を行っていくことがとても重要になります。
万が一の事態を考えて念入りなマニュアル準備を
感染に備えてあらかじめ取り決めておくことがたくさんあります。
大きく分けると、
利用者が感染した時の対応
と
スタッフが感染した時の対応
です。
利用者に対する対応、そして事業所としてスタッフや運営をどうしていくか、
危険と隣り合わせであることを自覚しながら
できうる限りの準備をしておかなくてはいけないでしょう。
訪問分野で働くリハビリテーション職種はどうなる?
看護師だけでなく
理学療法士・作業療法士は特に患者・利用者との直接的な接触が多い職種です。
コロナウイルスを移す・移されるというリスクは高くなります。
媒介となって持ち歩くかもしれません。
医療機関と匹敵するくらいのリスクを背負って
訪問分野のスタッフは仕事に臨んでいるはずです。
ただ、看護ケアと違い、リハビリは緊急性が低いと認識されてしまいがちです。
リハビリの回数を減らず、もしくは中止する事業所もあります。
ともすれば リハビリ職種の解雇 といこともありえます。
リハビリがなくなれば
関節拘縮や筋力低下は進み、
刺激がなくなることで認知面の低下も予想されます。
感染者が出た時点でリハビリ中止の流れが高まってしまいます。
リハビリの重要性を今ことセラピスト自身が自覚し、
感染予防に気をつけながら、
業務に励んでいくことが重要です。
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