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難病のALS女性を安楽死、嘱託殺人についてどう考えますか?

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先日痛ましい事件が起きたのを皆様ご存じでしょうか。

 

難病のALS患者の女性を安楽死させたという罪で

2名の医師が逮捕されました。

 

その時の私は、ただの殺人事件かと思っていたのですが、

そうではなく、嘱託殺人だったようですね。

 

嘱託殺人とは、

被害者の依頼や同意により、殺害する行為をいう。

人をそそのかしたり助けたりして自殺させる「自殺教唆・幇助(ほうじょ)」とは、

直接手を下したかどうかという違いはあるものの、

どちらも刑法の同じ条文に盛り込まれている。法定刑も同じ懲役・禁固7年以下、

6カ月以上となっている。

 

(※コトバンクより抜粋)

 

患者様本人より、殺してほしいと依頼され、

医師二人はそれに応じたようです。

 

私はこの事件に対して、是とも非とも言えない感情になりました。

 

日本では、安楽死という概念がないからこそ、

このような行動になかなか移れないということもあります。

 

あなたはこの記事を見てどう感じますか?

 

www.kyoto-np.co.jp

ALSという難病に立ち向かう患者様の心理について

 

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは簡単に言えば

運動神経系に障害が起き、手足やのど、呼吸に必要な筋肉が

徐々に動かなくなる進行性の病気です。

これは難病に指定されており、全国で9千人余りに上ると言われています。

 

私も新人の頃に神経難病病棟に配属された際に、

多くのALS患者様を担当させていただきました。

 

認知機能が著しく低下している患者様が多い中、

比較的若い40代の球麻痺型のALSの方を担当したのを今でも覚えています。

 

若くして構音障害が出現し、なかなか自分の意思を伝えることができない、

そのうえ呼吸器にも問題が出現していた中でも

気丈にふるまい、元気で毎日を過ごされていました。

 

そんな患者様もそこに至るまでに多くの葛藤があり

一時は死を希望したということもお話を聞いたことがあります。

 

自分の未来に絶望し、この人生を終わらせたい

 

そう思っても今の日本では叶うものではなく

何もかもをあきらめたという話を聞いたのを今でも覚えています。

 

 

「死」というテーマに直面した時に、

あなたはどのような答えを出しますか?

 

 

あなたは人生を諦めた方にどのような言葉をかけますか?

 

神経難病病棟や終末期で働いているセラピストや看護師の方々は

常に死に直面して働いておられます。

 

そんな中で、患者様に「殺してほしい」と懇願されることも少なくありません。

 

私自身も何名かの患者様にそのように言われたことがありました。

 

今回の記事で問題となった医師2名の方も

同じように女性の方に臨まれたのでしょう。

 

今の日本の法律では安楽死は認められていませんので

このように報道されておられますが

皆様はどう考えますか?

 

ちなみにSNS上では、両論の意見が飛び交っています。

 

以前、厚労省が作ったポスターで、議論が巻き起こった

芸人の小藪千豊さんの「人生会議」ポスターを思い出しました。

blog.ep-och.com

 

過去にあった、

看護師が患者を殺人したという痛ましい事件も

今回の事件も

患者様の気持ちに立っての行動と言われれば

その気持ちはわからなくはありません。

 

しかし・・・・・

 

といたところで、今回のお話は締めておこうと思います。

 

死生観については、自分の定義を決めておくということは

大切かもしれませんね。

 

私自身も、この問題について答えは出ていません。

 

もしかすると永遠に出ないかもしれませんが

ぜひ考えるきっかけにしてほしいと思います。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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