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中~高強度身体活動量が多い方がBNPが低い?

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ここ最近、コロナの影響で身体活動量が低下している高齢者が増加しています。

 

実際、外来患者様でも 

『コロナで自粛しろって言われるとあまり外出できない』 

『コロナでジムがやってないから運動できていない』

など、多くの声を聴きます。

 

さらにこの猛暑が活動量を下げていますよね、

というよりさすがに日中の活動は危険と判断しますよね。

 

ということで、

この身体活動量が身体にどのような影響を及ぼすのかが

著者の私の中でのトピックスになっております。

 

今回、とある文献を読んで得た知見に私の私見を交えてご紹介致します。

 

身体活動量って意外に曖昧

・「身体活動」:安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての動作のこと。

・身体活動=運動+生活活動とまとめることができます。

身体活動 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

 

身体活動って言うと、歩数がよく用いられます。

 

客観的だし分かりやすいので活用頻度は高いのですが、

歩くっていっても強度はマチマチです。

 

早く歩いてもゆっくり歩いても一歩という意味では同じです。

 

そこで、中之条研究という20年間にも及ぶ

非常に長期間の追跡調査の結果から一つの結論が出ています。

 

8000歩 そのうち20分は早歩き

 

です。

 

これは、すごく画期的な結論だと考えています。

 

それまでは歩数のみの量での評価しかなかったのが、

早歩き、

つまり中強度の運動を取り入れましょうということが示されたんです。

 

ライフコーダーなど歩数をベースに

活動量を評価する方法はたくさんありますが、

活動量は歩数だけではないということを知っておくべきでしょう。

 

同時に座っている時間というのもリスクファクターと考えられています。

 

(引用元: 中之条研究 | 株式会社健康長寿研究所 )

 

強度別身体活動量と各種心血管疾患データの関連

 

では、質的身体活動量と心疾患関連因子についての研究結果から

考えてみたいと思います。

 

地域のスポーツ施設に通っている慢性心疾患患者40名が対象です。

 

この対象者を身体活動量にて2群に分けます。 

身体活動量は以下の定義に従っています。

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そして、この中の中強度と高強度の活動量の総量によって2群に分けています。 

つまり、総量が多い群と少ない群の2群です。

 

まず、その2群の患者背景ですが、年齢にのみ有意差が認められました。 

やはり、活動量で分けるとそうなりますね。 

平均年齢は76歳なので、高齢な方が中心です。

高強度活動は実際ほとんどなかったようです、 

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主には中強度活動に有意差がありました。

 

その活動が具体的に何なのかまではわかりませんが、

3~6METsということは日常生活よりやや強度が高い活動と思われます。

 

当然、歩数にも歴然の差があるんですけどね。

 

そして、心疾患関連因子との関係ですが、

すべての結果ですが、主要項目のみお示しします。

 

見ての通り、有意差があったのはBNPとHDLCです。

 

他にも検討された項目はたくさんありますが、有意差はありませんでした。

 

ここではBNPに注目したいと思います。

 

なぜ身体活動量とBNPが関連しているのか?

 

論文の中では 

“日常の 低強度活動ではなく中高強度身体活動の多寡が BNP 濃度と 関連した背景には,中高強度身体活動による血管内皮機能 の改善が関与していると考えられる.”

とされています。

 

実際に血管内皮機能を検討していないので事実関係は不明です。

BNPというのは何らかの心負荷の結果であると解釈できます。

 

特に容量負荷に応じて増加するとされているため、

中高強度の運動が何らかの機序で心臓への負荷、特に容量負荷を軽減した、

と考えられます。

 

血管内皮機能となるとどちらかというと圧負荷の要素が強くなりそうなので

実際のところが気になるところです。

 

いずれにしても、興味深い事実です。

 

対象がスポーツ施設に通っているといことで、

それなりのバイアスはかかっているでしょうけど、

今後身体活動量は質を追求していくと面白いなと感じました。

 

中高強度の良いところは、短時間で済むことだと思います。

毎日8000歩となると、1時間散歩してもおそらく足りないでしょう。

しかし、20分の中強度の運動で良いとなれば頑張れる人もいると思います。

 

いずれも習慣の問題にはなってきますが、

いろいろな運動処方ができることに越したことはありません、

選択肢は多く提供してあげましょう。

 

終わりに

 

身体活動量は健康寿命関連で近年注目されています。

 

しかし、ただ漠然と歩くことばかり推奨するのようでは

運動の専門家とは言えません。

 

様々な状況のなかでどの運動方法を選択するのか、

その質についてより追求していくことは理学療法士として必要ではないでしょうか?

 

それでは、本日の記事は以上となります、

最後までお読み頂きありがとうございました!

 

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【著者】

真鍋 周志 先生

専門分野は内部障害系理学療法、中でも循環器を専門にしております。

2012年より弊社のセミナー講師を務めています。

 

真鍋 周志 先生 | セミナー情報エポック

 

 

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