生活習慣病の危険因子とは何か知っていますか?
それは「動脈硬化」です。
「サイレントキラー」の名の通り、
動脈硬化が主疾患としてあがることはほとんどありません。
しかし、動脈硬化によって引き起こされる様々な疾患が、
重大な予後不良因子となりえるのです。
血管の病を起因とするこの疾患は、自覚症状がないまま進行していきます。 コレステロールなどの脂質が沈着してきても、 体に大きな変化はなく進行していきます。
看護師が今伝えたい、動脈硬化のリスクと予防法 - EPoch Official Blog
では、動脈硬化の危険因子は何か知っていますか?
【前回の記事もお読みください】
- 生活習慣と日本人の三大死因の関係
- 動脈硬化の三大危険因子と生活習慣病について
- 訪問看護の現場でよく出会う動脈硬化「下肢閉塞性動脈硬化症」
- 訪問看護師や理学療法士が出来る、動脈硬化を予防するフィジカルアセスメントとフットケア
生活習慣と日本人の三大死因の関係
健康で長生きするために、何か注意しながら生活していますか?
タバコや飲酒の制限、バランスの良い食事、ストレスの回避等、
健康には生活習慣が大切と、
頭では理解していても中々実行できないのではないでしょうか。
平成27年の厚生労働省人口動態統計によると、日本人の死因は
1位「がん」
2位「心疾患」
3位「肺炎」
4位「脳血管疾患」
といわれています。
このうち悪性新生物、心疾患、脳血管疾患は「三大死因」と言われています。
三大死因と肺炎が上位を占めています。
(引用元: 平成27年(2015)人口動態統計(確定数)の概況|厚生労働省 )
心筋梗塞、脳卒中、閉塞性動脈硬化症などは血管の動脈硬化に基づく病気です。
また、動脈硬化の予防には糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満症などの
生活習慣病に目を向けなければなりません。
食生活が欧米化したことに伴い、
狭心症や心筋梗塞といった虚血性心臓病が年々増えてきていることは、
現社会の問題かもしれません。
動脈硬化の三大危険因子と生活習慣病について
「動脈硬化」とは
「動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりして本来の構造が壊れ、働きがわるくなる病変」の総称です。
(引用: [21] 動脈硬化 | 血管・血液 | 循環器病あれこれ | 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス )
動脈の変化は、中高年になってから起こるものだと思っていませんか。
それは、間違いです。
若い時からの生活習慣の積み重ねです。
どんな病気にも危険因子というものは、存在します。
例えば、性別や年齢です。
これは、どうしようもないことかもしれません。
高血圧、高脂血症、喫煙、肥満、糖尿病、ストレスなどは
自分の意志や頑張りで回避することが出来ます。
危険因子を多く持つほど、動脈硬化のスピードが速まると言われています。
動脈硬化の三大危険因子
危険因子の中でも高血圧、高脂血症、喫煙は特に重要で、
3大危険因子とも呼ばれています。
- 高血圧
「収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合」
で、血圧が高いほど脳梗塞や心臓病などにかかるリスクは高い。
- 高脂血症
「総コレステロール値は220mg/dl以上、
LDLコレステロール値は140mg/dl以上、
またHDLコレステロール値は40mg/dl以下」になると、
狭心症や心筋梗塞の合併が増える。
- 喫煙
1日20本以上の喫煙者では、虚血性心臓病の発生が50~60%も高く、
喫煙は、がん、肺や消化器などの病気だけでなく、
狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症といった
動脈硬化性疾患の発症を促す強力因子です。
喫煙は他の危険因子にも影響し、
総コレステロール値、LDLコレステロール値を高め、
逆にHDLコレステロール値を下げ、二重のリスクをもたらします。
また、血が固まりやすくなり、血栓症を起こす危険も高まります。
動脈硬化の予防・治療にまず禁煙が必要です。
若い時から喫煙をされている方、少し気になってきたのではないでしょうか。
喫煙者だけでなく、そばにいる受動喫煙者への健康被害についても考えてみましょう。
その他の危険因子
- 肥満
肥満の程度を示す指標としてBMIがあります。
正常体重を、時々図ったことはありますか。
BMI値=体重(Kg)÷[身長(m)×身長(m)]
日本肥満学会の基準では、
19.8~24.2は「正常範囲」、24.2~26.4は「過多体重」、26.4以上は「肥満」としています。
肥満した人は血液中の脂肪が過多になりやすく、さらに高血圧、高尿酸血症、糖尿病などを合併しやすいため、ほかの危険因子にも大きな影響を及ぼします。
- 糖尿病
糖尿病の発症には、遺伝的な素因も関係しますが、
生活習慣、過食、運動不足、飲酒などの心がけ次第で改善できる習慣が大きく影響します。
首の動脈の肥厚、脳血管障害、虚血性心臓病、大動脈硬化、足の閉塞性動脈硬化症などが、全身にわたって起こりやすくなります。
訪問看護の現場でよく出会う動脈硬化「下肢閉塞性動脈硬化症」
訪問看護ご利用の方には、このような危険因子をお持ちの方は沢山おられます。
だから、私たちは病気の悪化を早いうちに発見できるようにケアにあたっています。
下肢閉塞性動脈硬化症は、
足の血管の動脈硬化により、血管が狭窄、閉塞する病気です。
足への血流が悪くなることで、足に栄養や酸素を十分に送ることができなくなるため、
様々な障害が現れます。
動脈硬化が原因であり、
糖尿病・脂質異常症・高血圧症・喫煙・高尿酸血症・慢性腎臓病・肥満等の
生活習慣病をお持ちの方ほど、起こりやすい病気です。
動脈硬化は全身同時に進行するため、
狭心症や心筋梗塞・脳梗塞など合併しやすい病気です。
主に、以下の症状を訴えられます。
1.冷感・しびれ感:指が青白くなります。
2.間欠性跛行(はこう):一定距離を歩くと、主にふくらはぎなどが締め付けられるように痛く、休まないと動けません。歩ける距離が短いほど、重症となります。
3.安静時疼痛:じっとしていても足が痛み、刺すような痛みが持続。
4.潰瘍・壊死:治りにくい潰瘍ができ、黒く壊死することがあります。
自覚症状が、必ずしも疾患につながっていると理解している方は少ない印象です。
歳だから、運動量が少なく体力・筋力が低下しているから
と思っている方の方が多いです。
血流が非常に悪くなると、足の傷や圧迫される場所の皮膚に潰瘍ができ、
感染を起こすと足を切断しなくてはならないこともあります。
訪問看護師や理学療法士が出来る、動脈硬化を予防するフィジカルアセスメントとフットケア
訪問看護の現場では、血圧や検脈による不整脈の確認をします。
また、頚動脈の上に聴診器をあて、狭窄にて雑音が聴取されていないか確認します。
靴下を脱いでいただき、
皮膚色、下肢の温度、足背動脈、後脛骨動脈、膝窩動脈、大腿動脈等の虚血確認をします。
靴下の上から、触ってもしっかり観察できません。
閉塞性動脈硬化症の方のみでなく、
高齢の方などは、足の先まで意識がいかないことや真菌などから
小さな傷が悪化することもあります。
悪化をしないように見守るだけでなく、
変化を感じたときは早急に検査を進める指導を行い、医師につなぎます。
感染を起こしたら、切断すれば終わりではありません。
切断をすることで、体幹の支えに変化をきたし日常生活が困難になることもあります。
血流改善や体幹維持には足の筋力、運動、心負荷を軽減する関りが必要です。
そのため、看護師と理学療法士で足の状態を共有しながらケアに取り組むことがあります。
予防と治療を併用しフットケアを行うためには、 医師、看護師だけでなく理学療法士の介入が必要です。
理学療法士と看護師が連携することで、
治療中の病気、障害があっても日常生活動作の改善を図り、 運動機能の回復、最終的に在宅での生活の質の向上をめざすことが出来ます。
訪問看護師と理学療法士の連携が活きる 高齢者の「フットケア」とは - EPoch Official Blog
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