骨折や脳梗塞等で入院をした場合、
過度に安静や活動性が低下して廃用性症候群になることを予防、
その後の日常生活への影響を考慮し、
早期臥床が勧められていることをご存じですか。
治療と並行して早期にリハビリテーションを開始することの重要性があるとして、
平成30年の診療報酬改定で、
「早期離床・リハビリテーション加算」
が新設されました。
それでも退院後の在宅生活の場においては、
寝たきりになる方は多く、褥瘡という問題が出てくることがあります。
高齢者を脅かす廃用症候群とは
特に脳血管障害などの後遺症やアルツハイマー、
悪性腫瘍治療後に長期臥床を余儀なくされる方、
事故や災害による後遺症や脊髄損傷で、突然に寝たきりになる方も多くおられます。
高齢者が廃用症候群になると、
元の状態まで改善させることは難しく、廃用症候群は治療よりも予防が重要です。
廃用症候群の症状には以下のものがあります。
・せん妄、うつ状態、見当識障害
・関節拘縮、筋萎縮、骨萎縮
・褥瘡
・心肺機能低下
・食欲不振・便秘
・ 誤嚥性肺炎
・ 血栓塞栓症
・起立性低血圧
・血栓塞栓症
・圧迫性末梢神経障害
・尿路感染症
・逆流性食道炎
各臓器の症状として多岐に現れ、日常生活自立度を低下させます。
【併せて読みたい】
ロコモティブシンドロームとフレイルとサルコペニアと廃用症候群…その違い、説明できますか? - EPoch Official Blog
褥瘡は『看護師の恥』
中でも、医療の現場では
「とこずれ(褥瘡)は看護の恥」
といわれ
入院中に、褥瘡を作ることがあってはいけないと
新人看護師の時に教えられたことがあります。
褥瘡は、痛みを伴うものであり、作らないことは看護において重要な関りの一つです。
褥瘡(じょくそう、英: Bedsore, Pressure sore, Pressure ulcer、羅: Decubitus ulcer)は、
臨床的には、患者が長期にわたり同じ体勢で寝たきり等になった場合、体と支持面(多くはベッド)との接触局所で血行が不全となって、周辺組織に壊死を起こすものをいう。
一般には床ずれ(とこずれ)とも呼ばれる。
「褥創」と書かれることもあるが、
日本褥瘡学会は、「創」の字が局所的な創傷を表すのに対し「瘡」の字が全身的な病態を表すとして、後者の使用を推奨している。
(※Wikipediaより引用)
限局性の圧迫が褥瘡の原因となりますが、
身体のなかでも骨突出部などによく発生します。
皮下組織が少ないため、圧迫力が直に組織へ影響します。
仰臥位では仙骨部、踵、肩甲骨部、後頭部。
側臥位では大転子部、足の外踝部にできやすいです。
(日本褥瘡学会HPより引用)
「褥瘡の見分け方はありますか」
と家族に聞かれることがあります。
褥瘡のできやすい部位の皮膚が赤くなっている場合、
それが褥瘡か確かめる方法として、指で赤くなっている部分を軽く3秒ほど圧迫し、
白っぽく変化するかどうかを確認してみましょう。
押したときに白く変化し、離すと再び赤くなるものは褥瘡ではありません。
押しても赤みが消えずそのままの状態であれば、初期の褥瘡です。
褥瘡のケアはどのようにしたらよいのでしょうか。
- 赤味をおびた皮膚が圧迫されないよう、2時間くらいを目安に体位交換をしましょう。
私たちは寝ている間にたくさん寝返りなどを打っていますが、
それが出来ない方は長時間皮膚が圧迫され、
細胞に酸素や栄養がいきわたらない状態になっているため、褥瘡になってしまします。
この状態が継続すると皮膚の表面だけでなく、
ひどい場合は骨に近い組織までも広がることがあります。
- ベッドのシーツ、寝衣のしわによる圧迫をなくすよう整えましょう。
皮膚は弱いため、引っ張るのではなく体を浮かし持ち上げ直すようにしましょう。
寝衣だけを引っ張ると、衣服が破れてしまいます。
- ベッドなども見直しましょう。
福祉用具として(体圧分散寝具)ベッドを借りることが出来きます。
また、寝たきりになれば生活の全てがベッド上となることがあります。
歯磨きや食事などの際に、
福祉用具は介護者の負担を軽減するだけでなく、生活の質を改善することも出来ます。
『体圧分散寝具』
体圧分散用具の目的は
・「沈み込み」や「包み込み」により突出部の圧力を低くする(身体の接触面を増やす)こと
・「接触部位を変える」ことにより、接触圧を低くします。
・体圧分散寝具を使用することにより、褥瘡発生率を低下させることが可能です。
体圧分散寝具の種類は、対象者の褥瘡発生リスク、好み、ケア環境等も考慮に入れて選択します。
【寝たきりの方の体圧変換には寝返り介助が重要になります】
- 栄養の改善に心掛けましょう。
さまざまな補助食品が市販でも出ています。
日常の食事で補えない場合、可能であれば検討をしてみましょう。
体重測定なども行い、評価していきましょう。
ベッド上で食事をされる場合は、孤立感があります。
食事が楽しめる工夫もしましょう。
- 排泄後のスキンケアを行いましょう。
褥瘡になりやすい皮膚の状態としては、尿や便失禁による湿潤環境です。
石鹸を使いしっかり泡立てて皮膚を優しく洗浄をしましょう。
肛門・外陰部から周囲皮膚へ皮膚保護のためのクリーム等があれば塗布をしましょう。
骨の突出した部位は皮膚の摩擦を強く受けやすい状態になっています。
そのため、予防のためのポリウレタンフィルムドレッシング材を使用することもあります。
医師や看護師に相談をしましょう。
引用先:
褥瘡の予防について | 日本褥瘡学会http://www.jspu.org/jpn/patient/protect.html
褥瘡予防・管理ガイドライン第3版
エポック訪問看護ステーションは
地域の皆様の健康と安心のため、
利用者様が「その人らしく生きる」手段を共に模索し提供してまいります。
※まずはお気軽にお問い合わせください※
TEL:072-770-1657
エポックでは、自費訪問リハビリサービスも併用して利用することができます。
自費訪問リハビリサービス | 自費訪問リハビリなら EPoch-エポック-
#リハビリ#理学療法士#作業療法士#エポック#訪問リハビリ#訪問看護#在宅リハビリテーション#褥瘡#廃用症候群#寝たきり#介助#介護