外来リハビリだけでなく、入院患者様のリハビリを担当するうえで
変形性膝関節症や半月板損傷の患者様のリハビリをすることはとても多いと思います。
どの患者様においても
大腿四頭筋の内側広筋の筋力低下に対するアプローチを
実施することが多いかもしれませんが
なかなか治らないといった悩みを持った方はおられませんか?
- 内側広筋のセッティングをしてもよくならない
- 膝の痛みをなかなか改善することができない
このような悩みを持つ方は、
そこから始めるべきではない
ということを念頭に置いて
リハビリを進める必要があるかもしれませんね。
膝関節疾患のリハビリを行うにあたって、ポイントは痛みを引き起こしている膝関節よりも骨盤のアライメントと運動連鎖について考えることです。
今日はそんな変形性膝関節症と半月板損傷のリハビリの方法について考えてみたいと思います。
また同様に膝疾患で多い半月板損傷のリハビリについて学べるセミナーもご紹介いたします。
変形性膝関節症のリハビリに体幹や股関節のアライメント調整の必要性とは?
まず最初に変形性膝関節症はなぜ起こるのかを考えてみてほしいと思います。
変形性膝関節症は、
膝関節のO脚変形により膝関節の内側顆にストレスがかかり、
そこの摩耗により軟骨組織がすり減って痛みを生じる
というのが一般的な考え方です。
その姿勢になると、
膝関節を進展させても最終域の5度のところで伸展筋出力がうまく働かないから、
セッティングを行う、
というのは間違ってはないかもしれません。
しかし、
ではなぜそもそも「O脚」になっているのか、
というところから考えていかなければいけませんね。
まず下肢の運動連鎖というところを考えてみたいと思います。
下肢には運動連鎖というものがあり、
骨盤の後傾が起こると股関節は外旋位になります。
すると膝関節は屈曲位、脛骨外旋位となり、O脚になるということですね。
そして、この脛骨外旋位は半月板にもストレスを加えて損傷させます。
半月板損傷かどうかを調べるためのテストでは圧迫と回旋を加えますよね?
この姿勢になると、膝関節を伸展しても外側広筋ばかり働きますので
いくら内側広筋を鍛えても立位姿勢でうまく使えないのです。
ですので、内側広筋を鍛える前に
まずは体幹・骨盤のアライメントを整えるところから始めるべきなのです。
体幹と骨盤のアライメントを整えることで膝関節のアライメントが整い、自然と内側広筋が働きやすくなります。
変形性膝関節症こそ座位バランスを診て骨盤アライメントをチェックしよう
そこでまず行っていただきたいのは座位バランスのチェックです。
なぜ座位?
と思われるかもしれません。
きちんと座れているのにどちらかというと立位じゃない?
と思われたあなたこそこれを読んでほしいです。
立位でバランスが悪いのはわかりきっていますよね。
そもそも片足立位は膝が痛いのでできませんし。
ではなぜ座位なのか?
それは座位での左右への重心移動を行う上で
体幹の立ち直り運動が阻害されている患者様が多いからです。
人は足部・膝関節・股関節での姿勢制御を基本的に行っています。
姿勢制御は、足部→股関節→膝関節といった順番で起こります。
その膝関節が阻害されるということは、
下肢のストラテジーは崩壊しているといってもいいでしょう。
むしろ崩壊しているからこそ膝関節が損傷を起こしているのです。
だからこそ、体幹のバランス機能が障害されている可能性があるため
そこのチェックはしておかなければいけません。
変形性膝関節症の治療はまず体重を落とすところから始めよう
さて、体幹のバランスチェックを行ってほしいと書きましたが、
皆さんは体幹のバランスチェックはされたことありますか?
まずそもそも変形性膝関節症の方の特徴として
どのような体型をされているか想像してみてください。
そうですよね、基本的にはふくよかな方が多い印象です。
体重が増える、ということは基本的には内臓脂肪か皮下脂肪です。
それがつくところといえば腹部です。
お腹に重たい荷物を抱えると、体幹は屈曲位になります。
すると骨盤は後傾位になりますよね。
何が言いたいかわかりますか?
つまりまず変形性関節症の方の治療を行うためには
体重を落とさなければ先に進まないということです。
体重を落とすための方法については後日書いてみたいと思いますが
変形性膝関節症の治療には、膝に対するアプローチよりも
まずは食生活や生活習慣の改善、
そして体重を落とすところから始める必要があります。
体重が軽くなって膝に負担が少なくなった
こうした言葉を聞いたことありませんか?
これが答えです。
このように膝関節への負担を減らして、変形性膝関節症や半月板損傷を防ぎたいわけですが、リハビリについてしっかり学びたいという方はこちらのセミナーがおすすめです。
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