セラピストの皆さんは、対象者に求める動きの質の到達点をどのようにイメージしていますか?
・力をガッツリ入れた動き方?
・力をできるだけ使わないような動き方?
求める方法は様々あると思いますが、対象者のHOPEや環境によって変わります。
原則としては、省エネ的な効率的な動作の獲得を目指したいですよね。
効率的な運動とは…
①目標の達成を
②最小限のエネルギー消費で
③最短の運動時間
で行えることとされています。
また『効率性』は力学的な視点と生理的な視点の両側面から考えることができます。
循環器疾患に対するリハビリテーションにおいても
心・肺・腎機能自体への介入はもちろんですが、
姿勢や歩容を変えるだけで循環器への負荷を減らすことができるため、
心・肺・腎機能のリハビリテーションに携わっているセラピストにとっても
姿勢や歩容の評価は重要ですね。
11/15(日)に香川県で開催する、中山先生による『歩行の評価と治療~バイオメカニクスと神経生理学の臨床応用~』では、
CPGを運動学・解剖学・生理学的な視点から紐解き、臨床応用するための知識や技術を共有します。
歩行における力学的効率性とは?
力学的な視点での歩行の効率性は、
運動エネルギー(前進速度)がどれだけ位置エネルギー(重心の高さ)に変換されたか
で評価することができます。
力学的エネルギー変換率(%Recovery)=(内的仕事量-外的仕事量)/内的仕事量
で示すことができ、力学的エネルギー変換率が低下すると、
外的仕事量が相対的に増えてしまう。
つまり、筋活動による仕事が過剰に必要になってしまいます。
(ちなみに健常若年者では力学的エネルギー変換率は約65%と言われているそうです)
歩行の生理的効率性の本質とは一体何か?
生理的な視点での効率性は、エネルギー消費の側面からみた動作効率とも言えます。
よく持久性の評価として6分間でどれだけ長い距離を歩くことができたかをみる、
6分間歩行テストが使用されます。
しかし、例えば1ヶ月前よりもさらに長い距離を歩くことができたとしても、
心拍数や脈拍、呼吸数の上昇率が1ヶ月前よりも増えていては、
持久性が向上したとは言い切れないと考えます。
ここで使用できるのが、生理的コスト指数(PCI)です。
PCI(拍/m)=(動作時心拍数-安静時心拍数)/動作速度
で示すことができ、PCIが低くなることは
単位歩行距離あたりのエネルギー消費が少なくて済むようになったと評価します。
つまり、持久性が向上したとも解釈できるということです。
このような力学的・生理的効率性とCPG(中枢パターン発生器)をリンクさせながら歩行について再考する勉強会を香川県で11/15(日)に開催予定です!!
新型コロナウィルス感染症の影響による自粛生活のために、
筋力や体力の低下などの生活不活発病(廃用症候群)になってしまっている対象者を担当しているセラピストの方・・・
効率的な歩行の獲得に難渋しているセラピストの方・・・
ぜひぜひご参加ください!!
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本セミナーはこんなセラピストにオススメ
・『CPG』という言葉を安易に使ってしまっている・・・
・運動学・解剖学・生理学的な視点から歩行を解釈したい!!
・生体力学と神経生理学的な解釈の繋がりの引き出しを増やしたい!!
・10m歩行時間や6分間歩行距離などの指標を用いて歩行を評価していることが多い!!
・上肢活動の向上を図るためのOTプログラムに歩行を活かしたい!!
【中山先生のオンラインセミナー(再考シリーズ)】
・筋出力の再考・・・
①11/13構造的因子、②1/8機能的因子、③3/12その他の因子
https://seminar.ep-och.com/seminar/16505
・感覚の再考・・・
①11/27知覚と大脳、②1/22感覚と小脳、③3/26脊髄・メカノレセプター
https://seminar.ep-och.com/seminar/16508
・歩行の再考・・・
①12/4バイオメカニクス、②2/5神経機構・CPG、③4/9歩行効率
https://seminar.ep-och.com/seminar/16512
・回復期の再考・・・
①12/18専門性・機能面、②2/26 ADLと脳機能、③4/23治療的福祉用具・リスク管理と脳機能