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無数に入ってくる感覚の中でヒトは状況に応じて、
ある感覚に注意を向け意識にのぼらせます。
つまり、優先順位をつけているんですね。
この過程が感覚→知覚と捉えられます。
例えば、今この記事を座って読んでいる方は視覚を優先していますが、
その時にお尻の座面圧は意識にのぼらせていません。
このように『感覚』としては入力されていますが、
『知覚』として処理される際に優先順位をつけて、
他の感覚の入力を抑制していることを『側方抑制(周辺抑制)』と言います。
大脳皮質の感覚野を中心に脊髄や視床などのいたるところで抑制されながら
最終的に感覚→知覚→認知と処理が進んでいます。
側方抑制で知覚への感覚入力を促していこう
感覚脱失の症例に対して、セラピストがどこに注意を向けさせるかで、
症例の気づきが変わってきます。
例えば左下肢が感覚脱失していると評価した脳卒中症例が立位練習をしているとします。
『足の裏が地面についている感じがしない』
と、発症前の身体を参考にするかのように
足底に注意を向けて立位をとろうとしている場合・・・
この場合は股関節や下部体幹への床からの圧(床反力)は
側方抑制されていることになります。
逆にこの症例に対して感覚が残存している股関節や下部体幹への
床からの圧に注意を向けさせることで、
地面についている感じがしない足底への注意は側方抑制され、
股関節や下部体幹の情報をもとにした立位への気づきとなります。
片麻痺患者様の感覚脱失はあり得ない!?感覚脱失=知覚鈍麻?
言い過ぎかもしれませんが筆者は感覚脱失というのはほとんどあり得ないと考えています。
脳卒中や脊髄損傷の症例においては、末梢の感覚受容器は残存しています。
脊髄→視床→一次感覚野といった『感覚』の伝達がうまく機能していないため、
たしかに感覚脱失かもしれませんが、
それでもすべての感覚入力がゼロというわけではないかもしれません。
触圧覚や振動覚などは脊髄視床路(さらに前・外側)、温痛覚は後索-内側毛帯路、
その他にも皮膚・筋・腱の伸張や張力の感覚は脊髄小脳路・・・
少なからず何かしらの感覚が入力されていると考えると、
感覚が脱失しているわけではなく、感覚を知覚する際の障害の可能性が考えられます。
セラピストが感覚脱失と評価してしまっているのは、
実は知覚鈍麻なのかもしれませんね。
このように考えると脳卒中や脊髄損傷の症例に対して、
『感覚』検査というよりも『知覚』検査という視点で
検査を行う方がよいのではないかと考えます。
側方抑制によりセラピストが症例の知覚を変化させることはできるため、
末梢感覚への介入に加えて、知覚への介入も行うべきと考えます。
感覚再教育ではなく知覚再教育と言いますしね!!
このように、教科書通りではなく基礎的な定義に+αすることで
臨床的に解釈していくことが重要ですね。
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本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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