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高齢者の虐待をなくすには?家族と利用者の間に立つのも在宅ケアでは大切です

Helpende handen zorg Stockfoto's, Rechtenvrije Helpende handen zorg  afbeeldingen | Depositphotos®

 

家族と利用者の意見が違った場合、医療者としてどう対応していますか?

 

看護の現場では、患者様だけでなく家族のご意向も伺い対応することがあります。

しかし、家族様がご本人の意志を尊重し任せますというケースもあれば、

ご本人が望まれても、それは辞めておいた方がいい

と意見を言われるケースもあります。

このような場合、患者指導という視点で医療職はどのように対応することがベストでしょうか?

 

高齢者に対する在宅での虐待は年々増加しています

平成30年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果によると、

在宅での虐待数は年間1万7,000件以上といわれています。

  • 養介護施設従事者等によるもの

虐待判断件数: 621件

相談・通報件数:2,187件 

  • 養護者(親族)によるもの

虐待判断件数:17,249件

相談・通報件数:32,231件

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000196989_00002.html)

 

虐待と聞くと身体的虐待をイメージしがちですが、

心身にダメージを与え、相手の尊厳を傷つける行為などは虐待とされています。

高齢者虐待を防止するためには、

介護ストレスや鬱が原因となって虐待をしてしまうこともあり、

介護する家族等へのケアも不可欠です。

 

家庭内においてなぜ高齢者虐待は発生するのでしょうか。

日本では、高齢化が進み、認認介護、老々介護が増えてきていると言われています。

それは、核家族化によって遠方に家族が住むなど

環境が変わってきたからかもしれません。

 

介護負担には、さまざまなものがあります。

・身体的な負担によって介護者が体調を崩される場合

・一人で抱えることによって、心身的にストレスが蓄積される場合

・サービスが入ることで、気を遣うため余計にストレスとなる場合

 

訪問看護の現場でも、

介護者から

「腰痛や鬱になりそう」

「来てもらうと、家を片づけたりしないといけないし。自分でします」

という言葉を聞くこともあります。

 

在宅介護での虐待は、介護者と本人ともに自覚がない場合があります。

特に長く介護を受けている場合は、当たり前の現状になっていることがあります。

例えば

  • 言葉による虐待がある場合
  • 日常生活が出来ておらず(介護されていない)、単に家にいるだけで介護をしていると思われている場合
  • 必要なサービス提供を受ける権利を、家族が拒否する場合
  • 金銭管理、財産等を取り上げてしまう場合
  • 介護者の顔色を伺いながら、本人が生活されている場合
  • 家族が、代弁者であると全てを決めてしまう場合

このような場合、介護側に精神的に問題があるケースが高いと言えます。

 

 

また、医師、ケアマネージャー、看護師のみだけでなく

社会で見守る形として地域包括センター等と連携を図り、

情報共有することが必要です。

 

虐待などの取り返しのつかない状況に陥ってしまう前に、

ケアマネージャーや訪問看護師に相談をしましょう。

 

介護における代弁者になろうとする中で、過剰なサービスの強要に繋がるケースも増加しています

家族のために、一生懸命に代弁していたことがエスカレートする場合もあります。

例えば、

・介護保険内で出来ないサービスの依頼

・特別的な対応依頼

 

これらは、家族や本人にとっては、当たり前な要望であっても、

医療者からすると過剰なサービスの強要と感じるケースも中にはあり、

クレーマとなってしまうことがあります。

サービス側も人であり、クレーマーとなると「余計な関りをもたないでおこう」となってしまうかもしれません。

 

訪問看護で要望が多い方への対応方法

  • 不安の有無を明確に伺う
  • 困っていることを確認し、一番望まれていることが何かを確認

この2点を理解することで、少しでも家族の想いに寄り添う取り組みが出来ます。

 

そして、相手の考えや想いを理解し否定はせず、共通の妥協点を探すことを行います。

ご家族からの要望に対して、こちらが「できること」「できないこと」を提示します。

「こうしてみては、どうでしょうか?」といった意見も伝えます。

 

最終的に判断するのは本人や家族です。

サービスを選択し、判断するための材料を提示することが、

私たちの関わり方の一つでもあります。

訪問看護の現場では、医療者の考える正しいと思う知識と、

家族や本人が正しいと思う考えがあります。

 

医療的な根拠がある場合は、正直に伝えます。

しかし、介護の方法は家庭の事情や個々の介護度や金銭面、環境等で異なってきます。

選ぶのは利用される方であることも事実です。

生命を脅かすことに関しては、医療者が意見をしっかり述べることは重要であり、

説得なども行うことはあります。

しかし、こうあるべきという正解は、看護の中には存在しないことも多々あります。

 

家族の想いだけで、介護をすることは不適切なケアになるかも

例えば

  • 薬を食事に混ぜて、飲ます
  • 無駄遣いしないように、金銭を取り上げる
  • 部屋のものを勝手に捨てる
  • 徘徊しないように部屋から出さない
  • 一人で食べると汚れるため、介助にて食事をする
  • 落ち着かなくなりだしたら、鎮静剤を飲ませる
  • 相手の話を適当に返す
  • 怒る、攻撃的な言葉を使う
  • 不安をあおる発言をする

安全や健康を守るために仕方のないこともあり、

介護を受ける本人の意向に全て添えないともあります。

訪問時間や回数には限りがあり、長くお話を傾聴できないことも多々あります。

 

そのため、医療者も含め介護側は、

不適切なケアになっていないか、

本人はどう感じているのかと振り返りながら、

ケアに携わるすべての職種で努める必要があります。

 

大切なのは、医療者として、専門的な意見を伝えること

同居していても、遠方の家族でも、本人様と家族の意見が食い違うことは多々あります。

訪問看護の現場では特に、家族と身近に関わる機会があるため

本人と家族の意見の食い違いの現場に遭遇することがあります。

 

例えば、福祉用具の購入に至っても、色々な問題があります。

医療者:「まだ、歩行器はいらないな。」

本人:「杖より軽めの押し車がいいかしら。」

家族:「安全を考慮した、先も長く使える歩行器がいいんじゃないかしら」

等、三者三様の場合もあります。

 

・本人と医療者が話し合って決めても、家族から後で拒否がある場合

・家族を説得しても強い反発がある場合

・本人が理解できない場合

 

誰の意見が正しい、誰の意見に沿うという考え方でなく、

生活において誰が使用するかを考え、色々な人の意見をきき本人が選択すること

が望ましいと思います。

医療職としての意見を述べることは大切ですが、医療職の意見が正しいということではありません。

また、家族の支えなしには介護生活は成立しません。

そのため、家族が意見を述べることは相手を想うことであり、

意見を出し合えることはとても重要です。

 

訪問看護の現場では、

日常生活の中での主役は介護を受けられている本人であること。

介護を受ける側には家族の支えが大切ということを、

家族と本人の意見が違ったときには伝えるようにしています。

 

中には、ケアマネージャーに全て委ね、

介護保険サービスだけで介護を行うことを希望されるご家族もいます。

経済的に余裕があり、サービスが利用できる環境であればとても正しい活用方法かもしれません。

しかし、救急搬送が必要な時の緊急対応時には、ご家族の協力がなければなりません。

そのため、訪問看護師からの立場からは、

本人の想いや生活状態を共有して頂く必要があると思っています。

 

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