臨床に出ていると、明らかに食事量が少ないなと感じる患者様が少なくありません。
そうした患者様に、「ご飯食べてくださいね」とただ伝えたところで
食事をとってくれるわけではありません。
このような状態ではリハビリで運動負荷をどれだけ加えても
筋力がつくわけではありません。
なぜ食事が摂れないのか
なぜ痩せ型で栄養が不足しているのか
それをきちんと評価してチームで対応してくために必要な最低限の知識を
貴方は備えていますか?
高齢者の栄養状態の評価方法とは
臨床の中でまず栄養状態の評価をするとなると
血液検査で総蛋白量やアルブミン値などの数値がどういう状態にあるかを
確認することは重要です。
ですが、訪問などで地域を回っていると、
血液検査をその場で確認することはできません。
そんな環境で評価をしなければいけない時にどのようにすればいいのでしょうか?
そんな時はまずはフィジカルアセスメントを評価します。
栄養状態は、多くの疾病や全身状態に影響を与えるので、
特に皮膚の状態(じょくそう、浮腫、乾燥の有無)、
口腔状態(痛み、口臭、口腔乾燥、義歯の不具合、味覚低下の有無)、
食欲不振、脱水、摂食・嚥下障害・嘔気・嘔吐、
腹部膨満感・下痢・便秘などの排泄問題、
発熱・感染の有無、経管栄養を確認することで、
ある程度の栄養状態を確認することができます。
栄養状態をなぜ評価しなければいけないのか?
実はリハビリを行っている患者様の多くが低栄養状態になっている
という文献があります。
その中では65 歳以上の高齢者の血中アルブミン値を比較した調査研究では、在宅や高齢者施設、医療療養病床等に比べ、回復期リハ病棟では血中アルブミン値が低いことが明らかになった。
若年の運動器疾患のリハ患者では、機能訓練に支障がない栄養状態のことが多い。しかし、高齢
化や医師の臨床栄養に関する知識や興味不足などの影響で、実際にリハを行っている患者の多くは
低栄養状態である。(文献:吉村芳弘.サルコペニアの早期発見・治療 病院─回復期リハビリテーション病棟.In: 葛谷雅文,他編.栄養・運動で予防するサルコペニア.1 版.東京: 医歯薬出版)
と書かれています。
私も臨床で患者様のリハビリを行っているときに
どれだけリハビリを行っても体重も増えない、筋出力も向上しない
といった高齢者の方を対応したことがありました。
結果的にその方は点滴で栄養を入れることで改善したのですが、
あまり食事をきちんととれていなかったようです。
つまりリハビリ分野において栄養状態を評価するのは栄養士だけではなく、
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士こそがきちんと評価をしていかなければいけません。
評価方法については前述した項目で客観的な評価が得られますが、
ほかにも簡易栄養状態評価表というものがあります。
簡易栄養状態評価表
簡易栄養状態評価表は、当てはまる項目のポイントの合計で栄養状態を評価します。
24点以上は「栄養障害なし」、
17~23.5点は「栄養障害のリスクあり」、
17点未満を「栄養障害あり」
と判定します。
これをリハビリの初回評価表に忍ばせておいて
簡単なスクリーニング評価を行うのもいいのではないでしょうか?
臨床の中で低栄養状態で運動負荷を与えることで
筋力があがらない、ADLが変わらないといったことはよく見かけられます。
機能改善を求めるのであれば、
患者様の栄養状態の把握は栄養士や看護師だけではなく、
セラピストも一体となり情報共有をしていくことで、
リハビリテーション栄養を進めていきたいものですね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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