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急性期治療における装具療法の考え方~長下肢装具を中心に~

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急性期でのリハビリテーション、特に歩行再建においての歩行訓練に

装具療法は不可欠です。

 

長下肢装具の適応については様々な議論がありますが、

少なくても麻痺の程度だけで判断できるものではないと考えています。

 

長下肢装具は感覚情報を入力するためのツールである1)と考えています。

 

長下肢装具で日常生活動作に必要な歩行を獲得する、

という直接的な目的があるのではなく、

日常生活で必要になる歩行を獲得するためのカットダウンが目的です。

 

長下肢装具を用いていかに立位姿勢を整えるか

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長下肢装具を用いてリハビリテーションを行うとき、

まず第一に開始するのは立位訓練でしょう。

 

いきなり歩行訓練にはならないと思います。

 

装具なしで立位が保持できない、あるいは保持はできてもアライメントが悪い場合は

装具の利用を検討します。

 

要するに、まっすぐ立てない人はまっすぐ立とうと様々な戦略を取ります。

 

片麻痺になると今までの姿勢制御戦略がとれないため、

新しい姿勢制御戦略を学んでいくことになります。

 

その際に、良くない姿勢制御戦略を学習してしまう可能性がありますので、

まずはまっすぐ立つところから開始することが必要であると考えています。

 

膝伸展位でまっすぐ立つのは、

最も余計な姿勢制御を必要としない学習しやすい課題です。

 

長下肢装具での歩行訓練のポイント

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長下肢装具による歩行訓練においては初期は装具への依存度は大きいですが、

そこから依存度を常態に応じて減らしていく作業となります。

 

カットダウンを実施して短下肢装具で歩行できるようになることが

1つの大きなゴールと考えられます。

 

歩行訓練において意識するべきポイントは以下の2点になります。

 

①股関節伸展運動に伴う股関節屈筋群のIa群求心性活動

②足関節背屈運動によって賦活される足関節底屈筋群の荷重受容器(ゴルジ腱器官)を介したIb群求心性活動

 

よく言われることですが、やはり長下肢装具を用いた歩行訓練をする場合は、

前型歩行にして股関節の伸展を促すことが大切であると考えます。

 

関節の自由度が増えると入力される感覚情報が増え

制御する課題の難易度が上がります。

 

特に股関節への感覚入力を優先する場合は足関節は固定しておいてもよいですが、

どこかのタイミングで足関節の動きを出していく必要があります。

 

その際には足継手をクレンザックかゲイトソリューションにすることになるでしょう。

 

個人的には歩行訓練としては、

油圧ダンパーによる荷重応答期のヒールロッカー機能を補助することができる

ゲイトソリューションタイプが好きです。

 

ただし、一概には言えませんのでケースバイケースでの検討が必要です。

 

長下肢装具による歩行再建訓練のまとめ

長下肢装具による歩行訓練の初期段階について記載しました。

 

急性期の段階で必要であれば早期の装具作成が求められます。

 

一方で、その適応はよく考えるべき項目であり、

リハビリテーション医や義肢装具士との連携も欠かせません。

 

先端機器が発達している中で、何を目的としてどのような歩行訓練を行うのか、

今一度良く考える必要があります。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

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【参考文献】

1)長谷公隆他:急性期の装具療法.JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION 27(1): 16-23, 2018.

 

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