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末梢動脈疾患の歩行障害の改善に必要なのは○○で歩くこと

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「無理せずに痛みのない程度で良いですよ。」

 

「歩くと足が痛い」

という患者様がいたら、あなたはきっとこんな台詞を言っていると思いますが

 

もしかしたら、その指導は間違っていたかもしれません。

 

足に痛みが生じる速さで歩くことで

末梢動脈疾患(PAD)の歩行制限が改善する

という驚きの報告が

アメリカのノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の

McDermott氏らが発表しました。

 

PADの間欠性破行を改善させるカギは歩行運動による血管新生

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末梢動脈疾患(PAD)とは

動脈硬化のために下肢の血流が不足する病気のことです。

安静時に症状がなくても、

歩き始めてしばらく経つと

足の筋肉の虚血(血流不足)が起きて痛みを生じますが、

少し休憩するとまた少し歩けるという

「間欠性跛行」と呼ばれる症状が現れます。

 

歩行運動には筋肉の血管新生を促す効果があり、

間欠性跛行の改善には

歩行による血管新生が効果があることが知られていました。

しかし、そのための適切な歩行速度は明らかでなかったのです。

 

それを打ち破ったのか今回の研究だったのです。

 

痛みを生じる速度で歩かないと歩行能力は改善しない

【研究対象】

米国内4カ所の医療機関のPAD患者305人(平均年齢69.3±9.5歳、47.9%が女性)。

参加者をランダムに以下の3群に分類しました。

1群は歩行運動を課さない対照群(65人)

2群は虚血による痛みが生じない速度での歩行を課す低速歩行群(116人)

3群は虚血による痛みを生じる速度での歩行を課す高速歩行群(124人)

です。

 

【方法】

歩行群(2群と3群)の患者には1回50分、

週5回の歩行運動を続けてもらいました。

12カ月後、6分間で歩行できる距離を計測しました。

 

【結果】

歩行を課さなかった対照群(1群)の6分間の歩行距離は、

ベースライン時が328.1m、12カ月後は317.5mであり、

有意な変化は見られませんでした〔変化量-15.1m〕。

低速歩行群(2群)も、

ベースライン時332.1m、12カ月後327.5mで、

やはり有意な変化はありませんでした〔変化量-6.4m〕。

この両群の変化量に有意差はなく、

足に虚血が生じない速度の歩行には

歩行距離を伸ばす効果が認められませんでした。

 

一方、高速歩行群(3群)は、

ベースライン時の338.1mから12カ月後には371.2mとなり、

歩行距離が有意に伸びていました〔変化量34.5〕。

また低速歩行群(2群)との比較で変化量に有意差が認められました。

 

歩行距離は伸びるが痛みが増悪するケースも

このようにPADの歩行機能の改善には

高強度の歩行運動が必要だということがわかりました。

しかし、今回の研究では

「歩行運動に痛みを和らげる効果があるのかは評価しなかった。」

ということで有害事象は全体で184件発生し、

各群の参加者1人当たりの発生率は、

対照群0.46、低速歩行群0.64、高速歩行群0.65と

歩行速度が速くなるに従って発生率は高くなっていました。

 

McDermott氏も

痛みの改善についてはまた追って研究が必要であることは

認めているようですが、

少なくとも多少のリスクを負ってでも

メリットの方を優先するのは海外らしいといえば海外らしいですし、

歩行機能の改善の一つの指標ができたのは

大きな一歩なのではないでしょうか。

 

歩行時の痛みの有無だけでなく、

痛みの強さとの関連性も考えながら、

リハビリに取り入れていけると良いですね。

 

 

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