トレーニングをした後って頭スッキリした感覚になりませんか?
実はそれは気のせいでもなくて、運動によって分泌される物質が大きく関わっています。
カラダの中で何が起こり、脳機能にどう影響するのか考えてみましょう。
あなたは脳の認知機能を知っていますか?
雨が降ってきたから、早めに帰って洗濯物を取り込もう。
こんな感じで、外部の情報を集めて処理をするのが脳の認知機能です。
知覚や記憶なども認知機能の一部とされていますが、
人が生きていくために最も重要視されているのが「実行機能」と呼ばれるものです。
これは目標を達成するために適切な行動を実行する能力のこと。
単一の機能ではなく外部情報や過去の経験をすり合わせ、最適解を導き出すというハイレベルな機能です。
ヒト特有の知的な情報処理を担当するのが前頭葉
よりよく生きていくために必要な認知能力は前頭葉の支配下にあります。
運動でとくにボトムアップが期待できるのが実行機能といわれる能力なんです。
例えば、サッカーのゲームでパスかシュートかドリブルかを
瞬時に判断するのも実行機能のなせる業なんです。
味方からのパスを受け取る瞬間、パス、シュート、ドリブル、どこに動く?
など、どう対処すべきか決断するのも実行能力のひとつ。
この能力が低下すると、いわゆる「決定力不足」の状態に陥ります。
この能力を統合し、調整しているのが脳の前頭葉です。
運動で前頭葉の神経活動が高まるのであれば、よりよく生きるために最も必要な実行機能が鍛えられる可能性も大ありということ。
運動開始直後に、脳から神経伝達物質が分泌される。
脳の神経細胞同士は神経伝達物質という化学物質を介して交信しています。
とくに精神状態を安定させるために必須とされているのが、
- ノルアドレナリン
- ドーパミン
- セロトニン
という神経伝達物質です。
運動は脳やカラダにとってはある意味、ストレスです。
安静時に比べて心拍数は上がり、呼吸は速くなり、ときには発汗する。
つまり・・・しんどい。
この事態に対処するため、脳の交感神経でドーパミンから合成されたノルアドレナリンが放出されます。
ノルアドレナリンは副腎という臓器に働きかけてアドレナリンというホルモンの分泌を促し、心拍や血圧を上げて呼吸を速めます。
同時に覚醒、意欲、注意力を呼び覚まします。
一方、有酸素運動で脂肪が分解されると、脂肪酸がトリプトファンというアミノ酸とくっついていた輸送タンパク質を奪い取ります。
身軽になったトリプトファンが脳に送られて精神安定作用のあるセロトニンが合成されます。
走った後、スッキリするのはこうした理由です。
仕事を捗らせるために仕事の前、
仕事の合間などに運動をすると良いというのはこういうことだったんですね。
皆さんも生活の中に運動をする時間を入れて効率アップをしてみましょう。