臨床で脳血管疾患の歩行観察や立位での観察をしているときに、
- なんとなくふらついている
- うまく表現出来ないけど、なんか荷重が乗っていないような感じ
など動作に対する違和感を感じることないですか?
言語化できない問題点に対して、特に下肢によく使われる言葉が
「下肢の支持性低下」
です。
特に新人の方は問題点で「下肢の支持性低下」を用いることが多いのではないでしょうか。
下肢の筋力的にはしっかり保てているのに、なぜか立位姿勢では安定性が悪い。
このような患者様は少なくありません。
そうしたときに評価しておきたいのは骨盤機能です。
骨盤機能は下肢と体幹・上肢機能をつなげる役割がありますので、ここの評価は徹底的に行わなければいけません。
今日はそのお話をしたいと思います。
骨盤機能がうまく働かなければ立位の支持性は低下する
臨床でよく遭遇する問題である、歩行中の下肢支持性低下ですが、
この問題点は主として下肢の筋力低下が原因とされてしまうことがあります。
そのためアプローチとして筋力強化や、歩行補助具や平行棒内での免荷歩行が中心に行われることが多く、私も新人のころはよく筋力強化ばかり行なっていました。
しかし、当時から筋力が向上しても破行が残存しているケースや、歩行中のふらつきなどを自覚的に感じている人がいることを経験しました。
さらに言えば、著明な下肢の筋力低下がないにもかかわらず、ふらつきなど歩行に対する問題を感じている方もいます。
下肢の筋力低下が、下肢支持性低下の原因であれば、下肢の筋力が向上すれば歩行中のふらつきは軽減するはずです。
しかしそうならないケースも数多く経験します。
そういったケースに対して、筋力低下のみが支持性低下の原因と考えてしまうと、
「あとは筋力や体力がついて歩くことに慣れれば、改善するだろう」
と考えてしまう可能性もあり危険です。
そんな時に評価しておくべきところは骨盤機能です。
骨盤機能の前後傾や側方挙上・下制など、立位姿勢における骨盤アライメントが崩れることで、足の出力をうまく機能させることができません。
骨盤の安定性は起居動作から評価しよう
骨盤機能は立位や座位姿勢以外にも、寝返りや起き上がり動作で重要な働きを担います。
この起居動作をいかに上手に評価し、歩行動作や立位動作につなげるかが重要になります。
しかしながら日々の皆さんの歩行動作の治療は歩行動作練習を中心に行うという単純作業になっていませんか?
もしそうであれば、ぜひ脳卒中片麻痺の歩行動作の評価と治療セミナーを受講してみてください。
(このセミナーは終了しました。
受講された皆様、ありがとうございました!)
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。