訪問リハビリでは患者様のご自宅にお伺いする際に、
マンションの高層階にお伺いするということがあります。
その時にちょっとした運動を兼ねて階段を使って上り下りをすることもあります。
訪問リハビリではほとんど車やバイクで移動することが多いため
こうしたときに、運動を入れておかないと、
一日の歩数が3000歩もいかないということも少なくありません。
先日、患者様のご自宅にお伺いする際に10分ほど余裕があったので
階段を12階まで上がってみました。
そうすると6階くらいまでで息が上がってしまいました。
自分自身の運動負荷量が理解できていなかったんですね。
最後まで上がり切りましたが、
足がガクガクしてしまいました。
時間にすれば、数分のことですが、健常者である私でもこのようになるのですから、
高齢で体力の衰えている患者様であればもっと軽い運動でも息が上がって、
脚も疲労困憊になってしまうでしょう。
カルボーネン法やMETsなどの評価法で心不全患者の運動負荷量に注意できていますか?
さて、今日のテーマは運動負荷量に着目してみたいと思います。
自分自身の身体の運動負荷量について理解できていなかったのに?
と思われるかもしれませんが、
そこは置いておいて、あなたは運動負荷量をどのように設定していますか?
一般的によく使われる運動負荷の設定方法としては
カルボーネン法が使用されると思います。
カルボーネン法とは
『目標心拍数=(220−年齢−安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数』
という数値で表され、
運動負荷量を50%にするのか80%にするのかによって
数値を入れることで最大心拍数をいくらまでに設定するのか、という計算式です。
しかし心不全患者様の運動負荷量は、この心拍数で設定しても本当に大丈夫なのでしょうか?
心臓に問題を抱えている患者様であれば、
リスクを考慮して、もっと低く設定しないといけないかもしれません。
他にも日常的な運動負荷量を設定する方法には活動量の指標であるMETsを利用するという方法もあります。
METsとは「日常生活動作がどの程度心臓に負荷がかかるか」という目安になります。
例えば座っている状態を1METsとし、家で身の回りのことをするときを3METsとします。
こうした日常生活の運動強度を指標にしたものをMETsといいます。
心不全の病態をきちんと理解して運動負荷量を設定しよう
例えば、ジムやトレーニング施設、ダイエットなど健常者の方の
運動負荷量の設定であれば、カルボーネン法を目標に進めていくのが適切だと思います。
しかし我々セラピストは原疾患を有する患者様のリハビリを担当するのですから
ここに病態の理解が必要になってきます。
心不全にもさまざまな病態を呈し、運動を行うことで交感神経優位になって
血圧が上がるのか、それとも逆に血圧が下がるのか、
といった病態をきちんと理解した上で
心拍数をどの程度までなら上げても大丈夫かを理解し、
医師に相談しなければいけません。
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今回の記事では運動負荷の設定で心拍数の話をしましたが
運動負荷に対して、その運動負荷が適切であったかどうかを判断するためのフィジカルサインとしては
血圧
もあります。
特にずっと臥床していた方が離床を目指して、起き上がりを始めたばかりの頃は起立性低血圧などが大きなリスクになります。
そこで本セミナーではリスクの高い離床期の血圧について、お話していただきます。
早山先生は元々が運動器リハビリを中心であったため、フィジカルサインについて、それほど詳しいわけはなかったようですが
ふとしたきっかけでフィジカルサインの重要性に気付いて、今では循環器の認定理学療法士も取得されました。
元々やってきていなかったのに、重要性に気付いたという経験はとても大きく、最初から当たり前のように計測していたセラピストよりも、勉強の量も質も違うのではないでしょうか。
もしも、あなたがフィジカルサインについて不安を持っているのであれば、早山先生のセミナーをおすすめします。
ぜひチェックしてみてください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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