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麻痺側上肢はなぜ歩行動作時に固めてしまうのか?

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先日、片麻痺患者様の歩行練習の際に、上肢の振り子練習を行いました。

すると、上肢をアクティブに動かすとこけそうな感じがする、というお話がありました。

これを聞いてあなたはどう考えますか?

 

私が担当させていただいている片麻痺の患者様の歩行は、

麻痺側上肢は固めながら歩かれています。

多くの片麻痺患者様の麻痺上肢はそのようになっているかもしれません。

しかし本当にそのままでいいのでしょうか?

 

  • 片麻痺治療で上肢の振り子運動は必要なのか?
  • なぜ腕を振るとこけそうな感じがするのかわからない
  • そもそも振り子運動がどのような影響を及ぼすのかわからない

 

もしこのように感じている方がおられるのであれば、今日の記事は役立つかもしれません。

 

片麻痺の歩行動作における上肢の役割を考えてみよう

片麻痺患者様の歩行動作練習については、

比較的下肢や体幹といった部分の考察は行われてきています。

その時の上肢の動きについては意外と考えられていない部分があるように思います。

 

しかしながら、上肢の振り子運動は左右の重心移動や

前後運動においてとても重要なバランス保持の役割を担います。

 

上肢の振り子運動における外乱刺激が体幹の姿勢制御に及ぼす影響

というテーマで研究論文が発表されているほどです。

 

確かに麻痺を呈している患者様はバランス能力が低下しており

麻痺側下肢体幹の姿勢保持が苦手になっている節があります。

 

そのため、麻痺側上肢を固めて安定化を図ろうとするのですが、

固めてしまうと日常生活の中で

せっかく使えるようになっているのに使えないという不具合が出現し、

結果的にあまり使わないという悪循環になってしまうのです。

 

上肢を固めずに歩くためには力を抜く必要があります。

そのためには上肢にどのようにアプローチをすべきなのでしょうか?

 

歩行動作獲得には上肢へのアプローチは必須です

歩行動作の時に上肢を固めてしまうという状況は避けたいと書きました。

ではなぜ固めてしまうのか?を考えましょう。

 

固めるということは、不安定だからこそ固めて

安定性を高めたいという状況だということです。

背臥位という安定している姿勢では麻痺側上肢が固まっている状況は減少しますよね?

 

そこからさまざまな姿勢変化を経て歩行動作に入りますが

どこかのタイミングで上肢を固めてしまうタイミングがあるはずです。

 

そのタイミングを見極めてアプローチをしていくのです。

 

それが座位なのか、立位なのか。

それとも背臥位から座位に移行する重心移動の際に起こるものなのか。

 

一つ一つ動作確認を行いながらその時の問題点を洗い出すことが重要です。

12月24日、25日に歩行動作に必要な上肢へのアプローチというテーマでオンラインセミナーを開催します。

もし歩行の中でどうアプローチすればいいか興味がある方はチェックしてみてくださいね。

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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