『引退』
このワードを聞くと、ついついスポーツ選手を思い浮かべますが
一般的な職業の方でも、どこかのタイミングで引退する時が来るわけです。
引退後は、仕事に費やしていた時間が無くなり、自由時間となるわけですが、
どうやらその自由時間で何か新しいことを始めたり、
有意義に使えたりすればいいのですが、
実際にはそういうわけには中々行かないようです。
実際にリハビリの仕事をしていると、バリバリに働いていて、
ほとんど家に帰らずに世界中を飛び回っていたというような方が
引退したら、特に趣味もなく、人との付き合いも減って、
体力や認知機能も落ちてきて、認知症を発症してしまうという話をよく聞きます。
特に食生活の変化が顕著に表れるようです。
今日は海外の文献から、引退後の生活をどのように過ごすべきなのかを考えてみたいと思います。
退職後に食事を減らしてフレイル・サルコペニアになる人が続出しています
退職後は一般的に食費を減らす傾向にあると報告をされています。
家で食べる食事もそうですが、
人付き合いが減ることで食事の質の低下との関連性も報告されています。
では、実際にどのような変化があるのでしょうか?
スイスの文献ではこのように述べられています。
まずは摂取カロリーですが
引退前が1765kcal/日
引退後は1,848kcal/日
で有意差はありませんでした。
栄養素別では
タンパク質は有意に増加(植物性タンパク質は有意に減少し、動物性タンパク質は有意に増加)
炭水化物は有意に減少
脂質は有意に増加(多価不飽和脂肪酸は有意な変化がなく、飽和脂肪酸と単価不飽和脂肪酸が有意に増加)
そのほかにもアルコール、コレステロール、ビタミンDの有意な増加がみられたようです。
つまり、引退後は活動量の低下も見られるとともに、
身体の中の代謝も変化が見られているにもかかわらず、食生活の不摂生が顕著に表れているのです。
このままではフレイルやサルコペニアになるのは目に見えていますよね。
引退後はバランスのとれた食事でフレイルやサルコペニアを予防しよう
いかがでしたか?
以上の結果から引退後は動物性のタンパク質が増えて、
身体にあまりよろしくないとされている飽和脂肪酸や単価不飽和脂肪酸も増え、
さらにはアルコール量が増加するということです。
摂取カロリー自体は有意差がないとはいえ
1日100kcal増えるということは大体2〜3ヶ月で脂肪1kg分も増えるということに。
しかも、活動量が減って消費カロリーも減っているはずですから、
塵も積もれば山となるで太っていってしまいそうですね。
さらにアルコールの量も増加するということですから、
やはり身体に良いとは言えませんね。
ここ数年ではサルコペニアやフレイルといった高齢者の虚弱が問題となっており、
その要因の1つに栄養状態が挙げられています。
そのため、退職前後での食事指導、栄養介入は余生を充実したものにする
大事なアプローチです。
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