先日、ある講師とこのような会話をする機会がありました。
「臨床に出るとトップダウンで考えることが多くなるよね」
臨床では治療時間は限られており、その場その場での判断が求められます。
そのため、学生時代のように一つ一つの症状に対して
検査する時間がたくさんある訳ではありません。
トップダウン的思考で対応する能力が求められます。
脳血管障害の患者様を対応する際にも、脳画像をチェックして、
ある程度症状を予測し、実際お会いしてから事前情報と照らし合わせることが
求められますので、このような能力が求められます。
しかしながらそういった勉強会って少ないような気がします。
あなたもそう感じませんか?
今日はなぜトップダウンで考える必要があるのかをお話したいと思います。
トップダウンで考える力を勉強会で身に着ける理由とは?
臨床においてはトップダウン的思考として、
症例の動作を確認して問題点を推測し、
瞬時に仮説→検証を行うという過程になるはずです。
でも勉強会に行ったら、ボトムアップ的に考える機会が圧倒的に多いと感じます。
例えば脳画像であれば、各スライス断を見てそれぞれの場所に応じた機能や
神経回路の流れを理解した上で、脳画像や症状をみて考える、という機会が多いですよね。
確かに基礎知識を学ぶ上ではこのような考え方は重要になります。
しかし、臨床でいざ患者様を担当することになると、
わざわざ教科書を引っ張り出してきて考える時間はありません。
「今日入院された患者様です」とカルテと脳画像を渡されて
一から勉強している時間なんてありませんよね。
ではあなたはどうやって患者様を評価しますか?
脳血管障害の患者様を担当する場合であれば、まずどこに病変があって、
どのように問題点が出現する可能性があるのかを理解すると思います。
その上で、実際に患者様にお会いして、問題点の洗い出しをするはずです。
となると、その思考過程を徹底的に鍛えていく必要があるのです。
トップダウンの思考過程を身に着ける方法とは?
確かに一つ一つ丁寧に患者様のことを評価したり
脳画像のスライス断に応じてどこにどのような機能があるかを理解するための
ボトムアップ的な思考過程も重要です。
しかしながら、トップダウン的な思考過程のメリットとは、
患者様の症状に対して瞬時に判断して
対応に当たることができるという点にあります。
臨床では、今何が問題になっていて、どのように治療を進めていかなければいけないのか
それを瞬時に判断する能力が求められます。
ボトムアップ的な考え方であれば、一つ一つの症状に対して検査を行い
それらの問題点を統合することで網羅することはできるかもしれません。
しかしリハビリを担当する40分~1時間の中で
結果を出していかなければいけない場面ではスピード感に欠けますよね。
なぜ患者様のリハビリをする上で脳画像の評価は欠かせないのか?
特に脳画像は患者様にお会いする前に得られる情報としてとても有益です。
例えば視床出血であれば、末梢からの感覚情報を大脳へ中継する重要な機能を有しています。
他にもさまざまな内分泌機能の中枢部でもある脳下垂体や松果体もそこに存在しています。
つまり、感覚機能を障害されるということが予測されるのです。
他にも視床が問題で起こる痛みもあります。
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ただ姿勢や動きを変えるだけでは解決しない。脳科学から痛みを考えよう
このように患者様の状態把握を事前に行うためには脳画像の評価が欠かせません。
しかしなかなか臨床の中で教えてもらえる機会は少ないはずです。
ですが、だからといって脳画像を見なくていいものではありません。
もし少しでも脳画像を勉強したいと考えているのであれば
たくさんの患者様の脳画像を見たりレントゲン画像を見たりして
何が問題かを瞬時に判断する能力をつけてみてください。
そうすることでトップダウン的な思考過程を身に着けることができますよ。
エポックでは数々の脳画像セミナーを企画してきました。
その中でも過去に脳画像セミナーを開催させていただき、わかりやすかったのが
おさか脳神経外科病院で活躍されている田岡知代先生による脳画像セミナーです。
現在シリーズで脳画像セミナーを開催しており、5月は視床の脳画像セミナーを企画しています。
特に本セミナーは数々の患者様の脳画像を提供いただき
視床出血の症例をチェックする方法を学びます。
臨床の中ですぐ使える技術としても人気ですし、
わかりやすい講義がリピートの秘訣です。
もしあなたが脳画像を学びたいと考えているのであれば、本セミナーをおすすめします。
理学療法士・作業療法士向け脳画像から診る障害の評価とリハビリ | 視床の症例編 – エポックセミナー
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