臨床において脳血管障害の患者様で高次脳機能障害を持つ
患者様との関わりで悩むことは多いはずです。
私自身、訪問分野で働いていても高次脳機能障害があることで、
活動量は高くてもなかなか安定した日常生活を送れないという方に
悩む機会は多いです。
特に
- 半側空間無視
- 注意障害
- 視野欠損
- 失行
- 失認
といった症状は
臨床の中でありふれた症状ではないでしょうか?
- 課題遂行がうまくいかない
- 注意の移り変わりが激しい
- なかなか意欲を高めることができない
こうした問題でリハビリの進め方に悩んでいるのであれば、
このブログで解決するヒントを得られるかもしれません。
高次脳機能障害に分類される症状について
さて、高次脳機能障害に分類されるものはどんなものがあるのでしょうか?
今日は一部ではありますが、高次脳機能障害について学んでみたいと思います。
① 半側空間無視
半側空間無視は視空間情報の操作で一番の代表例ではないでしょうか?
これは一側大脳半球の障害により、病巣と反対側の空間を無視する症状です。
重症になると視線を障害側に向け、反対側を見ようとしない状況になります。
- 線分末梢テスト
- 直線の二等分線
- 図形模写
- 時計模写
これらのテストによって発見することができます。
半側空間無視の病巣部位としては右頭頂葉、右頭頂・側頭・後頭の接合部が重視されてきていましたが、右半球の他の部位の障害でも出現することが知られています。
② 失行
失行とは運動麻痺や運動失調、不随意運動などではなく、行うべき行動や更衣がわかっているのに行うことができないことを指します。
失行には指節運動失行、手指失行、顔面失行などがあります。
- 自分の身体を使って簡単な運動をさせる
- 日常生活で用いている道具を操作させる
- 紙に図を書かせる
- 衣服の着脱をさせる
- 文字を書かせる
これらのテストによって発見することができます。
③ 失認
失認は、日常的に使っているものを見せてもそれが何かわからないという状況を指します。
つまり見ているものが何かわからない、使用方法も説明できないという状況になります。
これを視覚性失認と言います。
また、色彩の障害のことを色彩失認といい、優位半球(左脳)の障害によって出現します。
また、視覚、嗅覚、聴覚、味覚、嗅覚の失認もありこちらはパーキンソン病の診断でもよく利用されます。
他にも人の顔や表情を分別できないという問題もあり、これを相貌失認と呼んでいます。
- 視覚、聴覚などの五感を用いた物体同定のテスト
これらのテストによって発見することができます。
高次脳機能障害のリハビリで重要なこととは?
たとえばリハビリ室であれば有線が流れていたり、
自宅であればテレビがラジオ感覚で流れていたりしませんか?
こうした日常の中における音は、患者様が日常生活を送るうえでとても重要になります。
リラクゼーション効果があったり、
誰かと一緒に過ごしていたりする感覚になれるという
効果はあるかもしれません。
しかし、リハビリの中で課題を遂行するということについては邪魔になることもあります。
高次脳機能障害のリハビリの注意点としては、
集中していただく、ということがいかに重要かを理解すべきだと私は思います。
特に自宅内でリハビリをしているときには、
知らず知らずのうちにテレビを流しっぱなしで行っている
ということは少なくありません。
ご家族の方が見ていたり、本人が見ているものを
そのままにしているということもあります。
私も最初は何気なくそのまま行っていた時もありましたが、
そうしたときは基本的にリハビリがうまくいかないんですよね。
環境を整えることの重要性を心底感じた場面でした。
今注目されている高次脳機能障害のリハビリセミナー
さて、高次脳機能障害は脳血管障害の患者様の
リハビリにおいて、高い頻度で出現します。
この高次脳機能障害についてのリハビリはエポックでも様々な講師にご講演をいただいています。
もしあなたが高次脳機能障害の関わり方で悩んでいるのであれば、
ぜひ勉強してみませんか?
高次脳機能障害の関わり方がわかれば、
もしかするとあなたのリハビリが変わるかもしれませんよ。
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理学療法士・作業療法士向け高次脳機能の理解 | 失行編 – エポックセミナー
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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