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理学療法士・作業療法士が悩む歩行 自立の許可を出す基準とは?

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患者様とリハビリを進めている中で、

どのタイミングで自立にレベルを上げるかで悩んだりしませんか?

 

先日患者様とのリハビリの中で、

レベルが上がってきたから

自立に向けて環境調整をしていこう

という話合いになりました。

 

いや待てと。

この人本当に自立に向けて進めていいのか?

その時の指標って何があるのか?

 

と思い、今一度調べる機会を作りました。

臨床の中で悩む自立度判定について、今日は考えてみたいと思います。

 

歩行の自立度判定に必要なバランス能力の評価項目とは?

さて、患者様が自立に至るまで様々な環境調整を経て

自立歩行を獲得していくと思います。

接触介助から近位見守り→遠位見守り→時間割自立から午前or午後のみ自立

自室内自立→屋内自立など、様々なレベルを経て自立に向けてリハビリを進めると思います。

 

ですが、管理→自立のこの段階の基準ってとても難しくないですか?

 

後輩指導みたいに、やってみよう!と簡単にやってしまい

結果的に転倒してしまいましたじゃ元も子もありません。

 

その時に必要なのはバランス評価尺度です。

有名なところで言えば10m歩行functional balance scale

そしてTime up & go test(以下TUG)が有名ではないでしょうか?

今日はこれらの評価尺度の使い方や

カットオフ値について再検討してみましたのでご紹介します。

 

10m歩行テストとカットオフ値、そして注意点

10m歩行で評価できることは歩数や歩幅、そして歩行速度です。

歩行速度は特に屋外歩行の自立には欠かせません。

なぜなら横断歩道を渡りきるためには1m/secの速度が必要だからです。

 

リハビリで覚えておきたい横断歩行を渡りきるために必要な速度は?

 

【方法】

  • 16m以上の直線歩行が可能な環境で実施。
  • 前3mを準備距離とし、そこから10mの歩行速度や歩数を計測する。

 

【カットオフ値】

  • 0.5m/secで屋内歩行自立
  • 1.0m/secで屋外歩行自立

【注意点】

必ず加速がついた状態で行いましょう。

止まっているところから歩き始めてしまうと、

歩行速度を正確に測れませんので注意が必要です。

 

Functional Balance Scaleのカットオフ値、そして注意点

Functional Balance Scale(以下FBS)Berg Balance Scale(以下BBS)としても知られています。

これは全14項目におけるバランス評価を5段階評価で測定し

それの合計値からカットオフ値を導き出し、バランス障害の有無を判定する方法です。

一般的にパーキンソン病患者様のバランス評価に使われますが

歩行の自立度判定にも使われます。

 

【方法】

項目としては

  1. 椅子からの立ち上がり
  2. 立位保持
  3. 座位保持
  4. 着座
  5. 以上
  6. 閉眼立位保持
  7. 閉脚立位保持
  8. 上肢の前方リーチ
  9. 床からものを拾う
  10. 左右の肩越しに後ろを振り向く
  11. 360°回転
  12. 段差踏み変え
  13. 継ぎ足での立位保持
  14. 片足立位

の全14項目で評価されます。

各項目の評価方法については以下のリンク先からご確認ください。

Functional Balance Scaleの評価項目一覧はこちら→☆

 https://human-press.jp/img/FunctionalBalanceScale.pdf

 

【カットオフ値】

これらの測定に伴う点数の合計値で転倒の危険性について評価します。

バランス障害があるのかないのか、転倒リスクはあるのかどうかを評価するために使用されます。

  • 0~37点 バランス障害を認める(転倒リスクが高い)
  • 37~44点 補助具使用での自立が可能(転倒回避ができる可能性が高い)
  • 45点~ 自立歩行が可能

【注意点】

複合的な動作を要求されるため転倒リスクの管理が必要。

 

Time up & go test(以下TUG)のカットオフ値と注意点

TUGを行う前には必ず6分間歩行を行っておく必要があります。

なぜならTUGは歩行速度の評価に加えて、敏捷性を測るテストなのです。

椅子から立ち上がる→方向転換を含む歩行→着座

この速度を測ります。

このテストの目的としては高齢者の転倒リスク評価、運動器不安定症の診断基準に活用されています。

【方法】

  • イスに深くもたれかかり、両足はついたまま。
  • 椅子から立ち上がって3m先の目標物を回って元の椅子に座る
  • 通常の歩行速度と最大速度の2回を測定する

 

【カットオフ値】

  • 10sec以下 自立歩行が可能
  • 11sec以上 運動器不安定症の可能性
  • 13.5sec以上 転倒リスクが高い
  • 20sec以上 歩行が不安定な可能性あり
  • 30sec以上 日常生活に介助を要する

 

いかがでしたでしょうか?

臨床の中で考えておくべきバランス評価スケールについて今日は調べてみました。

しかし、注しておくべきことはこれらは【シングルタスク】であるということです。

もしこれが【デュアルタスク】で行うとどうなるか?

結果は変わってくる可能性があります。

 

私は歩行自立においてデュアルタスクの重要性は高いと考えています。

次回は歩行自立に必要なデュアルタスクの重要性について書いてみたいと思います。

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