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股関節術後の高齢者の患者様が転倒しやすいわけとは?

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患者様が転倒するときってどんな時だと思いますか?

病院で働いていて、人工股関節術後の患者様の受傷機転を確認すると

 

「歩いているときに転んでしまって」

 

と話されることがあると思います。

 

ですが、よくよく考えてみると歩いているときに転ぶタイミングといえば

足元の石や段差につまづくときではないでしょうか?

 

そしてもっと聞くと、つまづいた訳ではないということがよくあります。

「方向を変えようと振り向いたり、身体をひねった時」であることが多いのではないでしょうか?

 

私自身、特に人工股関節術後の患者様のリハビリをする上で重視するのは

筋出力のトレーニングも重要ではありますが、

その際に股関節にいかに重心荷重をしっかりかけて、安定させられるかを重視します。

 

なぜそのようなトレーニングが重要なのかを今日は書いてみたいと思います。

 

高齢者の股関節術後には荷重感覚トレーニングを徹底しよう

 

さて、私は股関節への荷重が重要だと書きました。

人工股関節術後の患者様が再転倒しないために私は筋力もそうですが

荷重感覚を重視します。

 

なぜならその部分は人工関節によって置換され、

本来得られているはずの関節面における荷重感覚は低下しているのです。

 

また、うまく荷重がかけられず、特に方向転換の際の術側の荷重が

うまくかけられないということも考えられるからです。

 

私の担当させていただいた患者様で人工股関節術後の患者様が、

痛みはないけどなんだか浮いたような感じがする

という方がおられました。

 

その方は普通に歩く分には問題はありませんでしたが、

方向転換の際に患側へ荷重をかけて足をクロスステップさせると

浮いたような感じがすると話されるのです。

 

このように患側への荷重がうまく理解できない、もしくは異常な感覚を呈しているという患者様は少なくないのではないでしょうか?

 

  • まっすぐ歩く
  • 横に歩く
  • 後ろ向きに歩く
  • 一度止まってまた歩き始める

 

ただまっすぐ歩かせるだけがリハビリではありません。

このように様々な環境を想定して歩行練習を進めていく必要がありますよね。

 

そして覚えておいてほしいのは、転倒する場面は直進歩行ではないということ。

方向転換などの不安定な場面での転倒が多いのです。

その場面を想定して評価していく必要がありますね。

 

股関節術後患者様に荷重感覚を付ける方法とは?

さて、では荷重感覚を付けるためにはどのようにアプローチしていけばいいのか

私が個人的によくやる方法についてお話をしたいと思います。

 

ヒトは外界からの情報の8割を視覚に頼っているということをご存じでしょうか?

そのため、自分の身体の傾きや変化についても視覚的な情報で代償することが多くみられます。

 

股関節術後の患者様も同様に、

トレンデレンブルグ徴候やデュシェンヌ徴候などを呈する場合も、

視覚的に傾いているという情報を得ようとします。

 

しかし重要なのは荷重感覚です。

 

関節荷重時に得られる位置覚、運動覚が本来得るべき関節面から得られないのですから

視覚情報を遮断して荷重をかけながら情報を得る練習をしなければいけません。

 

ですので、ぜひ視覚を遮断して、術側に荷重をするという方法を試してみてください。

 

他にもリハビリ方法をご紹介したいのですが、もっと勉強したいという方は

5月に整形外科リハビリテーション学会で活躍されている為沢先生による

若手理学療法士向け股関節の評価とアプローチというセミナーで勉強してみてください。

 

これは整形外科疾患の評価とリハビリシリーズとして開催しており

現在好評いただいているセミナーの一つです。

若手理学療法士向け股関節の評価とアプローチ|整形外科疾患の評価とリハビリシリーズ – エポックセミナー

 

 

ぜひ興味がありましたらあなたのご参加を心よりお待ちしております。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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