先日、患者様とこのようなお話をしていました。
「野球でウォーミングアップをするんですが、なかなか温まらないんです」
どのようにやっているかというと、
少しランニングして体をほぐす程度だという話でした。
すぐキャッチボールやトスバッティングを行っているのだとか。
それではなかなか体は温まりませんよという話をして
ウォーミングアップの目的や意義についてお話をしました。
年齢を重ねれば重ねるほど、身体は動きにくく、ケガもしやすくなります。
ここはきちんとしたストレッチの知識や運動方法を学んでおくべきだと感じましたね。
ウォーミングアップの意義とは?
これを読んでくださっているセラピストの方々は当たり前だと思われるかもしれませんが、
ウォーミングアップについて一度おさらいしておきましょう。
ウォーミングアップとは「運動によるケガの防止や、主運動を行うための身体の準備、その運動に対する能力を最大に発揮できる状態をつくること」を目的に行う、運動前の準備運動のことです。
ウォーミングアップは言葉の通り、体温を上げて身体を温める「warm:ウォーム(温める)」と、心拍数を上げる、血流量を増やす「up:アップ(上げる)」ことが大切です。
筋や関節も温まることで関節可動域が広くなり、また心拍数や血流量を徐々に上げることで心臓や肺への急激な負担を避けることができます。
ウォーミングアップの効果は
体温や筋肉の温度を上昇させる
関節可動域を広くする
神経の伝達を促進する
心拍数と呼吸数を徐々に増加させる
という効果があります。
これから運動をする上で、筋肉や心拍数を上げていくための準備段階としてストレッチを導入していきますが、
それぞれのストレッチについて学んでみましょう。
運動前のストレッチの種類と効果について
ストレッチにも数種類あります。
運動前にするストレッチ、クールダウン後におこなうストレッチと
効果が異なるのでぜひ確認してみてください。
〇スタティックスストレッチ
スタティックスストレッチとは、静的ストレッチとも呼ばれ、体を静止させ、反動を使わずに関節の可動域を段階的に増していき、無理のない程度に筋肉が伸ばされた状態をしばらく保持し(15~60秒間)する方法です。
この方法は1a抑制がかかってしまいますので神経伝達速度が低下してしまいます。
運動後にはいいのですが、運動前の最初の段階に行うと最大筋力が出せずパフォーマンスが低下することが報告されています。
そのためウォーミングアップ時にスタティックストレッチを取り入れる場合は、体温が上がったあと、短時間(30秒未満程度)が良いとされています
〇ダイナミックストレッチ
ダイナミックストレッチとは、動的ストレッチとも呼ばれ、体を動かしながら行うストレッチのことです。
代表的なダイナミックストレッチの一つにラジオ体操があります。
ダイナミックストレッチは柔軟性の確保だけではなく、筋肉の温度も高めることができ、スポーツのウォーミングアップに採用されることが多いです。
ストレッチ一つとっても目的や方法は異なります。
きちんと理解して運動前のウォーミングアップに取り入れていきたいですね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。