過去に寝返り動作について細かく分けて記載してみました。
歩行動作に影響する寝返り動作の問題点とは? - EPoch Official Blog
今日は背臥位姿勢でできることを考えていきたいと思います。
背臥位姿勢は片麻痺患者様の動作レベルを確認するうえで
重要な姿勢になります。
なぜ背臥位姿勢をチェックすることで、歩行動作の問題点を理解することができるのか
このブログで解説したいと思います。
片麻痺患者様の背臥位姿勢は丁寧にチェックすべき理由とは?
まず、背臥位姿勢とは
支持基底面が一番大きい姿勢
であることを理解しましょう。
その中でまず獲得しておきたいのは
抗重力伸展活動
になります。
小児の発達過程において
まずは上肢を顔の前に持ってきて、
自分の手を確認しますよね。
その際に自分の手と顔、体の位置関係を確認した後は
側方へのリーチ動作に変異します。
このときに重要なのは上肢を挙上し
肩甲帯を前方に押し出すような動作をさせることです。
画像はイメージではありますが
このように上肢を挙上し、肩甲骨を前方変移させることで
脊柱の彎曲と肋骨の彎曲を利用して
支持基底面を狭める練習をする必要があります。
もし、上肢を自由に動かすことができない場合は
セラピストが介助して肩甲帯の動きを繰り返し
覚えさせる必要があります。
もしくは、患者様に自分で手を介助させることで
重心を体幹の中心に集めるように指導しましょう。
そうすることで重心を動かすということを覚えさせる必要が
歩行動作の獲得に必要なのです。
片麻痺患者様の体幹や下肢の重心偏移を覚えよう
次に、股関節や膝関節の屈曲動作
頭部と体幹の屈曲動作の獲得は
支持基底面を減少させるとともに、
動作を容易にする重要な役割があります。
以前のブログでも書いてみましたが
支持基底面を狭めることが
一番の動きやすい姿勢であるといえます。
背臥位姿勢において
股関節や膝関節の屈曲動作
頭部と体幹の屈曲動作の獲得は
支持基底面を減少させるとともに、
動作を容易にする準備段階だと理解しています。
歩行動作に影響する寝返り動作の問題点とは? - EPoch Official Blog
つまり、股関節や膝関節を屈曲させ、
骨盤や体幹の中心面に
重心を偏移させてくる必要があります。
片麻痺患者様の寝返り動作でなぜ異常動作になるか解説します
脳卒中の患者様の寝返り動作を見ると
体幹の過剰な伸展活動により
支持基底面をより広げることで
安定性を確保しようという動きが特徴的です。
これは支持面を過剰に押し付け、荷重感覚を入力しているのです。
その姿勢では左右への重心変移はできないばかりか
より動作を阻害してしまいます。
寝返りを獲得させたいのであれば
重心位置をより中心に集めるための方法を
覚えさせる必要があります。
しかしながら片麻痺患者様の寝返りは
それが一人ではできません。
ここで理解しておきたいのは
片麻痺患者様の左右の体の感覚の不一致です。
半身の感覚が鈍いため
よく、
「半身がベッドから落ちたような感じ」
と表現されることがあります。
その状況では、非麻痺側は努力性の筋緊張になっており
なかなか動作を遂行することができません。
その時に重要なのが、視覚的な代償や
音による代償を利用し、この場が安全であることを
理解させる必要があります。
視覚的な情報とは、頭頚部の動きの自由化です。
眼球運動、頭部、頸部の運動が正常でなければ
横に何があるかもわからない状況で
振り向くなんて怖くてできませんよね。
話を元に戻しますが、
寝返り動作を獲得させるためには、
背臥位姿勢において重心位置を
身体の中心部に集める必要があります。
その際に、屈曲筋群のトレーニングを行うとともに
背臥位姿勢における感覚的な安心感を
音や視覚的な情報を用いてまずは養う必要があります。
いかがでしたでしょうか?
背臥位姿勢一つとっても考えるべきこと
やっておかなければいけないことは
多数あるといえます。
次回は寝返りの重心変移期~側臥位について
書いてみたいと思います。
もしここまでで片麻痺患者様の歩行動作を理解するために
寝返りや起き上がりを理解すべきだと感じていただけるのであれば
こちらのセミナーをおすすめします。
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本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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