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神経生理学ってセラピストのタッチに活かせるの?

 


香川県でナイトセミナーが始まんりょる!!

※始まんりょる=始まっている

 

いつもご覧いただきありがとうございます。

セミナー事業部 四国地区担当の中山です。

 

香川県近郊の皆様、冷やし中華 ナイトセミナー始めましたよ!!

先日6月20日(水)に香川県でのナイトセミナーを開始させていただきました。

 

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2016年には冷やし中華前線(気温25℃が基準)なるものが…
(東洋水産株式会社・株式会社ウェザーマップ調べ)

 

 

香川県でのナイトセミナーは今後、

毎月第3水~金曜日に開催予定で、講師は私中山が務めさせて頂きます。
会場定員に限りがありますので、お早めのお申し込みを!!

 

night-seminar.ep-och.com

night-seminar.ep-och.com



前置きはこの辺にして…
今回のブログでは、6月20日(水)に開催させていただいた

ナイトセミナー『タッチの再考~ブレない評価と触れる治療~』の

内容をお伝えしますが、実技が中心だったため写真を撮れていません。

申し訳ありません(>_<)

 


感覚が運動の質を決定する!?

 

ある参考書では『感覚情報に対応した運動が生成される』とされており、

運動は脳からの指令・制御だけではなく、感覚刺激を脊髄レベルで

無意識的に運動に変換していることを示していると考えます。

まずはこの視点からセラピストのタッチの質の重要性を再確認しました。

 

辞書によると『タッチ』とは『触れること』だけではなく

『関与』という意味も含んでいるそうです。

また、よく耳にする『触診』は『医師が触って病状を知ること』、

『触察』の『察』は『それと知る』や『深く調べる』という意味があるようです。

 

これらを考慮すると、セラピストが触るということは、

『触って、感じ取り、深く調べて、それと知り、関与する』と

言い換える事が出来ると考えます。

 

ここに専門的な言葉を当てはめると…

 

『触って(感覚)、感じ取り(知覚)、深く調べて(情報・知識)、それと知り(認知)、関与する(介入)』となります。

 

このように患者様だけではなく、セラピストのタッチの際、

脳内処理も同様の過程をとっています。

ということは、神経生理学の知見をセラピストのタッチに活かせるわけなのです!!

 


側方抑制でタッチを良くせえ

はい、親父ギャグです。 

 

ご存じの通り感覚は、意識できる感覚

意識できない感覚に大きく分けることができます。

 

前者が主に脊髄から視床を介して、大脳皮質に至る経路

(外側・腹側脊髄視床路や後索内側毛帯路)、

後者が主に脊髄から小脳に至る経路(脊髄小脳路)です。

 

意識できる・意識できないに関わらず、

無数に入ってくる感覚の中でヒトは状況に応じて、

ある感覚を優先的に意識にのぼらせます。

 

つまり、優先順位をつけているんですね(^^)

 

例えば、今このブログを座って読んでいる方は視覚を優先していますが、

その時にお尻の座面圧は意識にのぼらせていません。

 

あ、中山が今知らせてしまったので座面圧が意識にのぼりましたね(^^;

 

 

このように『感覚』としては入力されていますが、

『知覚』として処理される際に優先順位をつけて、

他の感覚の入力を抑制していることを『側方抑制(周辺抑制)』と言います。

 

 

大脳皮質の感覚野を中心に脊髄や視床などの至るところで

抑制されながら最終的に感覚→知覚→認知と処理が進んでいます。

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(タッチ(神経心理学コレクション).p196)
一次感覚野~上頭頂小葉の情報処理の内容と階層性

タッチ (神経心理学コレクション)

タッチ (神経心理学コレクション)

 

側方抑制の臨床応用

 

側方抑制を応用することで、セラピストが患者様にタッチする時、

どこに注意を向けるかでセラピストが認知する組織が変わってきます。

 

浅い皮膚なのか深い骨なのか、中間の筋膜なのか…

また手で触れている局所的な部分だけではなく、

遠隔に注意を向けながらタッチ(魔法の杖現象をイメージ)することで

筋緊張の連結なども感じられるようになります。

自分の臨床で同じ場面があった際に、 J.J.Gibsonが提唱した『Wand Phenomenon(魔法の杖現象)』という考え方が 使えるのではないかと思い、意識しています。

【ほんだら】、触ってみよか~!? -Wand Phenomenon- - EPoch Official Blog

 

 

受講生同士の実技では、立っている相手の骨盤に置いた手で、

床面の硬さを感じながら圧を加えてみたり、

手から上肢を揺らしながら、

鎖骨付近の筋緊張の変化を感じてもらったり、

皮膚・関節・筋への同時刺激(空間的加重)による介入をしてもらったりしました。

 

セラピストがどこに注意を向けるかで

即時的に上肢の挙上が軽くなったり重くなったりする

介入効果も感じてもらうことで、タッチの重要性を共有できました。

 

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単独の感覚種よりも複数の感覚種における入力が同時に生じた方がより良い(空間的加重)

 

 

 

 

 

受講生様の感想を掲載!

  • 実際にやってみることで、今後の臨床場面に活かしやすいなと思いました。とても良い体験ができました。
  • 本日は、分かりやすい講義ありがとうございました。実技が多くて分かりやすかったです。
  • 触った感覚で患者様への伝わり方が変わるので難しいと思いました。
  • 臨床で行う評価もあれば、実践しやすそう。難しい内容も分かりやすい言葉が多かったので分かりやすかったです。
  • 実技をまじえて考え方など分かりやすく説明されていて理解しやすかったです。
  • 今後、臨床で活かせる内容であり、理解しやすかったです。

 

今回のナイトセミナーでは、神経生理学的な視点でのタッチが中心でしたが、

8月の第2弾では解剖学的・発生学的な視点からタッチを再考してみたいと思います。

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seminar.ep-och.com

 

 

骨格筋の形と触察法

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