先日、ある症状でご入院されていた患者様が、数か月ぶりに在宅へ帰ってこられました。
ですが、少し不安感もあるのです。
なぜなら、ご入院前より嚥下機能が少し低下している場面を目にしたからです。
食事形態においても変更になり、飲み物もトロミがついたものを飲まれていたのです。
嚥下機能が低下して誤嚥のリスクがあるようです。
在宅生活をサポートしていると、このような患者様に対して
嚥下機能の評価は少なくありません。
もちろん、STのような専門的な評価はできませんが、簡易的なスクリーニング評価はしていかなければいけないのです。
あなたは簡易的な評価と聞いて予想がつきますか?
今日はそのような話をしたいと思います。
嚥下機能は姿勢やアライメントを評価してみよう
以前のブログでは簡易な嚥下機能評価として、反復唾液嚥下テストについてご紹介しました。
これは、口を湿らせたのちに30秒で
何回唾液を嚥下できるかを観察するテストであり、
3回以上唾液を嚥下できればクリア、
2回以下では嚥下運動は十分ではないという評価です。
ですが、理学療法士・作業療法士ならきちんと機能的なところについても考えていかなければいけません。
誤嚥するということは、気管の中に食塊や唾液が流れ込んでしまうということです。
気管に流れ込まないように、私たちの身体は喉頭蓋が気管を封鎖して
食道へ流れるように誘導しますが、そこで問題が起こるのです。
正常な機能であればきちんとそのような状態が起こるのですが、
嚥下機能が低下している患者様ではそれらが障害されます。
ですが、私たちの身体でもあることをすると
嚥下しにくくなるということをあなたは経験したことがあるはずです。
それは、頭頚部を伸展して、口を閉じて飲み込んだり、
寝転んだまま物を飲んだりする姿勢です。
どうすれば嚥下しにくいか自分たちで経験してみよう
頭部を伸展したり、頸部が伸展位になっていたりした状態で嚥下してみてください。
すると
飲み込みがしにくく、しんどいなという状況になりませんか?
これは私達だけではありません。
患者様の頭頚部のアライメント、それを構成している脊柱や骨盤のアライメントを見てみてください。
そのアライメントを実際の自分の身体で体現し、嚥下をしてみると、飲み込みにくいという状況がわかるはずです。
私たち理学療法士・作業療法士はSTさんほど嚥下機能は専門ではありませんが、
姿勢やアライメントの評価については専門分野のはずです。
このようなアライメント評価を徹底的に学ぶことも重要ですよ。
2月末にPT・OTのための嚥下の理解と誤嚥性肺炎予防のための姿勢改善の運動療法というテーマでセミナーを開催します。
ぜひ興味がありましたらご参加を心よりお待ちしております。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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