あなたの治療効果は高いですか?
お読みいただきありがとうございます。
セミナー事業部の楠です。
6月17日の関東のセミナーは、コンディション・ラボ所長の
園部 俊晴先生による『膝関節疾患に対する理学療法 ~仮説検証作業の実際~』を
開催させていただきました。
我々、セラピストは評価→治療→評価という流れで
対応を行っていくことが基本となります。
その流れにおいて、いかにエビデンスの高い対応を行えているかが重要になります。
そして治療効果を高めるためには、
しっかりとした仮説検証が重要となります。
例えば、膝の痛みを訴える患者様がいたとします。
痛みが生じた患者様は病院へ受診に行きますね。
Dr.が診断をし、鎮痛薬やヒアルロン酸で対応をします。
それでも痛みがとれない場合は、手術を行うこともあります。
このような流れは医療の現場でよく遭遇する話ですが、
痛みの原因は半月板や軟骨だったのでしょうか?
Dr.は検査や問診のみで判断をします。
損傷や変性、摩耗などは確認できますが、
本当にそこが原因となるのかを見分けるのはセラピストになります。
そのためにも仮説検証が重要となるんですね。
手順として
組織学的推論(機能解剖を中心に考える)
- 問診から病態を予測する
- 触診・各種検査から病態をさらに絞り込む
- 膝の可動域(特に伸展)の確認
- 膝の捻れを確認
力学的推論(荷重配列と力学を中心に考える)
- 形態評価(OKC)
- 立位評価
- ストレステスト
- 動作分析
を行います。
これによって、どこに原因があるのかを判断し、
正しいアプローチを行なうことができるようになります。
膝蓋下脂肪体ってどこにあるか分かりますよね?
今回は特に重要となる部位である、
膝蓋下脂肪体、内側側副靱帯、半月板、鵞足、伏在神経、腸脛靭帯を
触診およびアプローチを行いました。
疼痛がなかなかとれない場合、Dr.は手術に踏み切ります。
しかし、手術(関節鏡)を実施するにあたり、
膝の痛みと関与している部位は膝蓋下脂肪体であり、
そこを傷つけることで痛みが生じる可能性があります。
膝蓋下脂肪体はパテラの周囲を動いてきます。
術後や年齢を重ねることで膝蓋下脂肪体が硬くなり、パテラが動きにくくなります。
膝蓋下脂肪体の柔軟性を与えるためには、
膝蓋下脂肪体の解剖学的な位置を確認して
刺激を入れることや内旋へ誘導する逆スクリューを行なうようにします。
スクリューホームムーブメントでは痛みが生じたり、
生じやすくなりますので、注意しましょう。
膝関節理学療法マネジメント−機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く
- 作者: 石井慎一郎,森口晃一
- 出版社/メーカー: メジカルビュー社
- 発売日: 2018/02/03
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
組織学的推論、力学的推論、神経学的推論の3つの臨床推論
園部先生は、組織学と力学の重要性と共に
誰でも理解や対応ができるものを指導していきたいと、
お考えになられていらっしゃいます。
今回のセミナーにおいても、簡単なようで難しい力学や仮説検証を
より分かりやすく、実践含めながらご講義頂きました。
痛みの原因を的確に判断し、正しい治療を行えることが、
今後、我々セラピストには重要だと思います。
そして、セラピストは組織学的推論、力学的推論、神経学的推論の
3つの臨床推論をもって対応していくことが、
クライアントの気持ちを考えると重要と感じました。
自分自身が臨床で考えていた以上に、
しっかりと臨床推論および仮説検証をしないといけないと思いました。
根本の原因を解決させるためには、より突き詰めて狙いを絞っていくことが
治療効果を上げるのだと感じました。
リハビリの先生が教える「健康寿命が10年延びるからだのつくり方」
- 作者: 園部俊晴,運動と医学の出版社
- 出版社/メーカー: 運動と医学の出版社
- 発売日: 2017/02/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
受講生様の感想を掲載!
- 力学や組織学の点について考え方、重要性について理解できました。また、明日からの臨床にて実践しやすい実技もたくさんあり、困っている患者に楽、良くなったということができるよう、本日の講義を活かしていきたいと思います。
- 組織学・力学の重要性が理解できました。特に解剖学としての知識を立体的にイメージすることが大事なのだと分かりました。
- 明日からの臨床ですぐに実践していきたいと思いました。
- 実技が多く、とても身になりました。
- 少人数であったため、先生に実技の質問がしやすかった。また、実技時間にゆとりがあって良かった。
- 熱い講義でした。
- とても濃いですが、とても分かりやすかったです。
- 少人数のセミナーで実技の時間も多く取って頂き、細かい説明等も聞くことができて大変ありがたかったです。明日からの臨床が楽しみになりました。
- 今回触りのみ教えて頂いた、倒立振り子運動のセミナーも開催して頂けたら幸いです。本日はありがとうございました。
- 整形外科クリニックで全身見ているのですが、組織学・力学的な観点からもっと見れるようになりたいと思いました。
- 人数が少ない分、細かなところまで指導して頂けて、1日とても良かったです。
- 足底板、足部へのパッドをテーマにしたセミナーを受講したいと考えています。
機能解剖学的にみた膝関節疾患に対する理学療法 (やってみたくなる実践法)
- 作者: 赤羽根良和,津田佳彦
- 出版社/メーカー: 運動と医学の出版社
- 発売日: 2018/03/29
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログを見る