こんにちは、EPoch IT 部の坂田です。
今日はレガシースタックについてお話しします。
レガシースタックという言葉は聞き慣れない方も多いと思います。
さっき考えたので。
元々そういう言葉があるわけではありませんが、
概念としては以前から問題になっています。
レガシースタック (legacy stack) とは、直訳すれば遺産の積み重ねです。
ただ、主にネガティブな意味で使います。
レガシースタックとは一体どういうものなのか、
以下、いくつか実例を挙げてみます。
2014 年 4 月に Windows XP のサポートが完全に終了し、
それ以上 Windows Update が行われなくなります。
XP更新悩む自治体…財政難「使い続けるしか」 : ニュース : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/net/news0/20130527-OYT1T00182.htm
2007 年に発売された Adobe CS3 は
Windows 7 上で正常に動かすことが出来ません。
Windows 7 への対応について
http://helpx.adobe.com/jp/x-productkb/global/8329.html
また、Google のサービスや jQuery 2.0 でも
IE 9 以上でなければきちんと動かないようになっています。
Google Apps、IE 8のサポートを11月15日に終了 - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1209/17/news016.html
IE8以前はサポートせず、より軽量で高速に:jQuery 2.0がついに正式リリース - @IT
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1304/22/news112.html
このように、時代の変遷に合わせて、
改良やバージョンアップが重ねられていく中で、
古いバージョンは徐々に淘汰されていきます。
にも関わらず、現状で既に動いているシステムがあって、
新しい OS やブラウザでの動作が保証されていないことや、
アップデートに掛かる費用面の問題などの理由から、
なかなかアップデートをすることが出来ない場合も多くあります。
最初に挙げた記事のように、
会社や公共機関のパソコンではそういうのがよくあります。
いまだに Windows XP + IE 7 で動かしている会社も少なくありません。
Office 2007 以降を持っていなくて、
xlsx ファイルや docx ファイルが開けない会社もあります。
今まで安定して動いていた業務システムであっても、
時間の経過とともに錆び付いて古くなっていきます。
これが、レガシースタックです。
プログラム的には全く何の異常もなくても、
気が付けば古くなっていて仕事がしにくくなっていたり、
ウィルスなどの危険に晒されていたりすることがあります。
私は Windows 7 で最新の Google Chrome を使っている、
という人でも、Adobe Reader や Flash Player、Java などの
アップデートを怠っていたりしませんでしょうか。
そういう古いバージョンがどんどん積み重なっていくと、
ウィルス感染率やプログラム動作不良などの危険性も上がっていきます。
レガシースタックが起こらないように
日々きちんと最新版にするように意識しましょう。