こんにちは、EPoch IT 部の坂田です。
今日は、起業家が新しいビジネスを開拓するための
一つのヒントをお話しします。
アメリカのイリノイ州にあるアウトドア用品の会社、
GRAND TRUNK では、このような商品が売っています。
http://store.grandtrunkgoods.com/sleeping-bag
商品名は『Hammock Sleeping Bag』、
日本語にすると『ハンモック式寝袋』です。
説明するまでもないですが、
ハンモックと寝袋を組み合わせたプロダクトです。
なんとも魅力的な商品です。
ハンモックの心地よいゆらゆら感のまま、
一泊する事が出来るのです。
ハンモックを結びつけられる手頃な樹さえ見つければ
テントが無くても寝る事が出来ます。
(雨が降ると悲惨ですが…。)
地面が濡れているような場所でも、
小川の上や足場の悪いところであっても
心地よく一泊する事が出来るなんて楽しそうです。
『寝袋』という既製品と『ハンモック』という既製品が合わさった事で、
まさに新しい商品を産み出したと言える好例です。
樹に吊るさなければ普通に『寝袋』として使える上位互換性もいいですね。
このように、あるものとあるものを組み合わせて
新しいものを作り出す事をマッシュアップ (mashup) といいます。
マッシュアップというのはもともと音楽用語で、
二つの曲をミックスして一つの曲にする事をいいます。
最近は Web 業界でもよく使われる言葉です。
複数の Web サービスを組み合わせて
新しいサービスを産み出すことを言います。
例えば Google は『検索』と『広告』を組み合わせて、
ユーザが検索した内容に合わせた広告を表示するようにしたことで、
インターネット業界で大きな利益をあげました。
ハンモック寝袋のようなプロダクトに限らず、
サービスやビジネスモデルにおいても、
マッシュアップにより新たな市場を開拓する事が可能です。
しかし、マッシュアップというのはなかなか難しいもので、
単純に二つの事象を合わせればいいというものではありません。
消しゴム付き鉛筆のように一世を風靡する発明もあれば、
シャー○プのしゃべる空気清浄機・しゃべる電子レンジのように
「え？？？」と市場が困惑する場合もあります。
新しいものを作り出そうと考えても、
例えば電球やラップフィルム (サランラップ) のようなものを
創り出すというのは非常に難しいことです。
誰にも出来ないような事をしようとするのは非常に難しいですが、
誰もやらないような事をしようとするのは、思いつき次第で簡単に出来ます。
既成概念から新しいものを産み出すというのは、
孔子の『温故知新』や、横井軍平の『枯れた技術の水平思考』に
通ずるところがあります。
