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介護をする方に知ってほしい、ユマニチュードというケアについて

介護 写真素材 - フォトライブラリー photolibrary

 

 

日本は高齢化社会であり、

2025年には認知症の人が「高齢者の5人に1人」が認知症になると言われています。

介護の特集などで、ユマニチュードという言葉を聞かれたことがあると思います。

私も書籍で何冊か目にしたことがあります。

 

 

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「ユマニチュード」は認知症ケアの一つです。

フランスで生まれて39年の歴史を持ち、

日本の医療や介護の現場でも知られるようになりました。

フランス語で「人間らしさ」を意味します。

 

ユマニチュードは、

ケアを必要とする人の「人間らしさ」を尊重し続けることと、

「人とは何か」

「ケアをする人とは何か」

という哲学的な考えから成り立っています。

 

考え方としては、

「ケアされる人」と「ケアする人」という一方的なものではなく、

「関係」や「絆」を中心にとらえたものです。

ケアを受ける人に反応がなくても

「あなたを大切に思っています」「あなたはここにいます」

大切な存在ですよというメッセージを発信し続けるように関り、

自分が唯一の存在、自分が尊重されていると感じることができるように、

伝えるための哲学と技術がユマニチュードです。

 

あなたのことを大切に思っていると伝えるための技術には4つあります。

 

ユマニチュードは「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの動作を基本としています。

見る

・ユマニチュードでは0.5秒以上見つめ合うことが必要だとされています。

・同じ高さから目線を合わせることで平等な関係性であることを伝えます。

・正面から見つめることで相手への誠実さを伝えることができます。

・できるだけ長く目と目を合わせることで、時間の長さがポジティブさや愛情を伝えます。

現場では、ベッドサイドや椅子に座られている方の目線に合わせるために、しゃがんだりさせて頂きます

認知症の人の介護において「見ない」という行為は、相手の存在を否定するメッセージになってしまいます。

 

話す

・穏やかに、ゆっくり、前向きな言葉を用いて話しかけます。

・相手から返事がない場合は、自分のケアの内容を実況中継します。

「オートフィードバック」といいます。

「今から温かいタオルで、体をふいていきますね」「熱くないですか」など言葉を絶やさないように声掛けを行います。

高齢の方は、耳が聞こえにくい方もおられるため、大きな声で話すこともありますが優しく感じられる口調を心掛けます。

 

触れる

・優しく包み込むような動作で触れましょう。

・急につかんだりすると、本人にそのつもりがなくても認知症の人に対して攻撃的な印象を与えてしまいます。

・触れる際は皮膚の接触面積をできるだけ大きくして広い範囲で触れるようにすると、安心感を与えることができます。

・肩や腕など体の鈍感な箇所から触れていくことが大事です。

いきなり手や背中など敏感な部分を触ると、驚かせてしまう恐れがあります。   

話しながら触れることもあれば、言葉で表現できないときに気持ちを分かりたいと、そっと触れる時もあります。

 

立つ

・立つことで軟骨や関節に栄養を行き渡らせ、呼吸器系や循環器系の機能が活発になります。

・血流がよくなることで褥瘡も予防できます。

・骨粗しょう症の改善や筋力アップを図れます。

・立って歩くことは知性、社会性の獲得につながります。

・立つことができれば空間的な情報が得られ、自分の存在をさらに強く意識することができます。

自分の足で立つことは、自分で生活が出来る手段であるためケアの中では重要です。

以上の4つの技術を使って、相手との人間関係を築きます。

 

実際のユマニチュードのケアには、5つの流れがあります。

 

出会いの準備:来訪を伝える

部屋に入る時は、3回ノックして3秒待ちます。反応がなければ、1回ノックして室内に入ります。

ノックすることによって、誰かが自分に会いに来たことを知らせ、受け入れるかどうか選択してもらいます。

 

ケアの準備:相手との関係性を築く

あなたに会いに来た、一緒に楽しい時間を過ごしたい。というメッセージをまず相手に伝えます。

「見る・話す・触れる」の技法を用います。ケアの提案をし、同意を得てからケアを行います。もし3分以内に同意が得られなければ、いったんケアをあきらめます。

 

知覚の連結:心地よいケアの実施

ケアにおいて「見る・話す・触れる」のうち、少なくとも2つ以上を同時に使いながら、あなたを大切に思っているというメッセージを継続的に届ける。

 

感情の固定:ケアの心地良さ、嫌なことはしないことを記憶に残す

感情に伴う記憶は認知機能が低下した人にも最後まで残ります。

誰かはわからないが、前に会った時の感情は覚えておられます。

ケアが終わった後に、一緒に過ごすことができて嬉しかった等の言葉をかけ終了します。

すぐに立ち去らないで、ケアを素敵な経験として感情記憶に残します。

 

再会の約束:次回のケアを容易にするための準備

認知症の人は、また会いましょうと言っても覚えていないかもしれません。

しかし、自分に優しくしてくれた人が、また会いにきてくれるという喜びや期待の感情は記憶にとどまります。

以上の5つの流れで関わっていくことが大切です。

 

まとめ

ユマニチュードとは、

ケアをする人、受ける人が、互いを尊重することで成り立つ基本的なケアであり、

人として関わる中で当たり前のことを伝えているように感じます。

 

人をケアするということは大変なことです。

医療者だけがするのでなく、

介護をする家族にも知ってもらわないといけない関り方だと思います。

 

認知症の方の性格が変わってしまわれたように感じることもあるかもしれませんが、

心の在り方は、昔と比べて変わっておられないことに気づかされることがあります。

一人一人が敬意を持って接すれば絆ができ、

認め合うことがいつかは出来ると思います。

看護の原点に振り返り、同じように関わっても生身の人間なので、

人それぞれ感情などは違います。

結果として、すべてに同じ成果が出ることはありません。

 

強制ケアをしないためには、時間は必要で認知症のケアには周囲の理解も大切です。

あせらず、人との関り方を意識しながらケアに努めていきたいと思います。

 

 

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このたび2020年6月1日より

伊丹・尼崎・川西・宝塚を中心として、

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地域の皆様の健康と安心のため、

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