患者様の歩行自立の評価って難しいですよね。
どのような指標を元に進めればいいか悩むことは多いと思います。
そういう場合はぜひまずこちらの記事をチェックしてください。
【理学療法士・作業療法士が悩む歩行 自立の許可を出す基準とは？】
さて、昨日の記事の中では歩行自立のために必要な評価基準について触れました。
しかしながら日常生活の中では単一に歩くということは少なく、
いつも何かを考えながら歩くということが多いはずです。
これを二重課題（デュアルタスク）といいます。
今日はその内容について書いてみたいと思います。
理学療法士・作業療法士なら覚えておきたい二重課題（デュアルタスク）とは？
さて、二重課題とはどういったことを言うのでしょうか？
たとえば、私達であれば
- 音楽を聴きながら歩く
- 携帯を触りながら歩く
- ご飯を食べながらテレビを観る
このように何かをしながら何かをするということをデュアルタスクと言います。
確かに患者様はうまく歩けるようになってきていると思いますが
それは病院という安全な環境下での歩行練習であり、
日常生活で歩くとなると数々のリスクを回避しながら歩かなければいけません。
例えば屋外を歩くとなると急激に子供が飛び出してきたり
車が近づいてきて横に寄ったりなど
周囲の環境をチェックしながら歩くという行為が必要になります。
もしこのような二重課題ができない状態で
在宅復帰したらどうなるか想像してみてください。
せっかく自立したのに、また何かしらの問題を抱えて再入院なんてことも考えられます。
デュアルタスク練習によってもたらされる効果とは？
では、二重課題練習をすることで得られる効果とはどのようなことがあるのでしょうか？
二重課題は認知課題も含めて行うことで、前頭前野の活動を高め、認知症予防にも効果的だと言われています。
逆にこの二重課題が難しくなってくると、周囲への注意向けが低下して
転倒リスクなどが高くなることが示唆されますので注意が必要です。
例えば、自宅の中で食器を運びながら足元の段差に注意が向かずに
躓いて転倒するという場面を想像してみましょう。
手元に注意が取られてしまって足元の環境に気づけずに転倒してしまいます。
このように二重課題をこなす能力は、転倒予防には必要になるのです。
おすすめの二重課題トレーニングをご紹介します
さて、二重課題トレーニングは実際どのように進めればいいのでしょうか？
よくあるのは、歩きながら計算してもらうということでしょうか。
もちろんこれはとても重要なトレーニングです。
ですが、実際それは面白くないと思いませんか？
ですので、筆者おすすめの二重課題トレーニングをご紹介します。
スマホを使用して歩く
さて、いきなり高難度な歩行練習かもしれません。
ですが、今の世の中スマホや携帯電話を持っていないという人は少ないのではないでしょうか？
一人一台持っている時代なので、ぜひ活用してみてください。
方法は言わずもがなだと思います。
スマホでメールしたり、映像電話をしながら歩いたりするのはいかがでしょうか？
バードウォッチングや野草観察
次にバードウォッチングや野草観察なんていかがでしょうか？
最近であれば梅の花がいい感じに咲き始めました。
そのため街路樹や近くの花を探しながら歩くことだけでも二重課題トレーニングに繋がります。
特にバードウォッチングであれば、最近はメジロも飛び始めました。
上を見ながら歩くという行為は足元にも注意を向けながら歩くことになりますから
より良いトレーニングに繋がります。
もし可能であれば話をしながら歩くとより効果的かもしれませんね。
いかがでしたでしょうか？
ただ病院内で歩いたり段差を超えたりと単純な歩行練習ではなく、
少しの要素をプラスすることで二重課題トレーニングに繋がります。
ぜひあなた色のトレーニング課題を患者様に提供して
患者様と楽しんでリハビリに取り組んでくださいね。
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