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看護師が今伝えたい、動脈硬化のリスクと予防法

フリー素材に血管内を血液が流れるイメージを追加しました – CG制作 ...

 

健康診断で、動脈硬化コレステロールについて指摘されたことはありますか?

 

訪問看護の場では、検査結果を見て生活指導を行うことがあります。

その中で、よくこう言われます。

 

  • 今の生活に特に支障を感じていないので、大丈夫。
  • 血液検査の数値が高いけど、どんなリスクがあるのか正直分からない。

 

健康診断の結果のみを見て本当は気になっていても、

改善策に取り組めていないという方は多くないでしょうか。

 

 

動脈硬化とは?

「動脈硬化」とは「動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりして本来の構造が壊れ、働きがわるくなる病変」の総称です。

(引用: [21] 動脈硬化 | 血管・血液 | 循環器病あれこれ | 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス )

 

心臓から全身に血液を送り込む役割を担う動脈の内壁が肥厚し硬くなった状態

のことを言います。

動脈硬化が進むと、

狭心症・心筋梗塞、脳血管障害、大動脈瘤

等のリスクが高くなります。

 

血管の病を起因とするこの疾患は、自覚症状がないまま進行していきます。

コレステロールなどの脂質が沈着してきても、

体に大きな変化はなく進行していきます。

 

そのため、動脈硬化症は、

別名「サイレントキラー

と呼ばれるほど恐ろしい病です。

 

この動脈硬化症の発症に起因する要素こそが、コレステロールです。

 

動脈硬化症とコレステロールの関係をご存じですか。

コレステロールの数値が高いことは体に良くないと、

何となくは知っているけど、

そのままにしてしまっている方は多いのではないでしょうか。

 

実は、コレステロールの数値を放っておいてしまうと、

日本人の約5人に1人が

動脈硬化症に起因する疾患で命を落としてしまうといわれています。

(参考:日本生活習慣病予防協会HP)

 

コレステロールは、血液の中に存在する脂肪分です。

 

このコレステロールは、

もともと細胞の膜やホルモンを生成するために欠かせないものです。

しかし、食べ過ぎやお酒の飲み過ぎなどで

エネルギーが過剰に体内に摂取されたり、

運動不足などでエネルギーの消費が少なくなると、

血液の中のコレステロールが増加してしまいます。

 

コレステロールには、

HDLコレステロールLDLコレステロールの2種類が存在します。

 

増えることで体にトラブルを引き起こしてしまうものがLDLコレステロールです。

この状態を高コレステロール血症といいます。

 

LDLコレステロールは、血管壁に入り込むという性質を持っています。

LDLコレステロールが増えることで、血管内に徐々に蓄積され、

血管は隆起し厚く、硬く弾力性がなくなり血流が悪くなります。

 

血流が悪くなると、血のかたまり(血栓)ができやすくなってしまいます。

この血栓によって脳や心臓の血管が詰まってしまい、

血流の圧力に耐えることができず破裂する危険が高まります。

 

このように、LDLコレステロールが多くなり過ぎて、

ドロドロとしたかたまりになってしまうと、

血管壁が厚くなり、血管の中が狭くなります。

 

これが「動脈硬化症」と呼ばれる血管の病が発生している状態です。

 

動脈硬化に関連する採血項目は?

足のトラブル含め、

日本人の約5人に1人が「血管の病」があると言われています。

 

採血検査の項目の脂質代謝系について、気になる方が多いと思います。

血液の中の脂質を調べる事で、

動脈硬化に関連する心筋梗塞や脳梗塞、脂肪が体内に蓄積する脂肪肝などの

病気のリスクを予測することができます。

 

  • 総コレステロール(TC)値

高いと動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞のリスクとなります。

甲状腺機能低下症でも高くなります。

低い場合は栄養吸収障害や肝硬変、甲状腺機能亢進症などの疑いがあります。

 

140~199が正常 139 以下及び200~259は要注意

260 以上は異常

※単位(㎎/dL)

 

  • HDLコレステロール(善玉コレステロール)

血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を回収します。

総コレステロールやLDLコレステロール、中性脂肪値が正常でも、

この値が低いと動脈硬化のリスクが高くなります。

 

40以上が正常

35~39は要注意

34 以下は異常

※単位(㎎/dL)

 

  • LDL コレステロール(悪玉コレステロール)

LDLコレステロールが多いと

血管の壁にコレステロール(プラークという塊)が堆積し、

動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります。

 

60~119が正常

120~179は要注意

59 以下及び180 以上は異常

※単位(㎎/dL)

 

  • 中性脂肪(トリグリセリド)

食事で摂取したエネルギーの余剰分を肝臓が合成したものが中性脂肪です。

これが血液を流れて脂肪細胞にストックされることによって、

内臓脂肪や皮下脂肪になります。

数値が高いと脂肪肝や動脈硬化のリスクが高まります。

 

30~149が正常

29以下及び150以上は要注意

※単位(㎎/dL)

 

  • non HDLコレステロール

LDLコレステロールや中性脂肪など動脈硬化のリスクを総合的に評価する

比較的新しい指標です。

この値が高いと動脈硬化のリスクが高くなり、

脂質代謝異常、甲状腺機能低下症などが疑われ、

逆に低いと肝硬変や栄養吸収障害、低βリポたんぱく血症などの可能性があります。

 

90~149が正常

150~209は要注意

89以下及び210以上は異常

※単位(㎎/dL)

 

HDLコレステロール以外は、

いずれの項目も基準値より高いと動脈硬化のリスクがあり、

さまざまな病気を引き起こす原因となると言われています。

 

訪問看護師が実際に行っている生活習慣の指導方法

私たち訪問看護師も、採血結果の相談を受けることがあります。

 

コレステロールが高めという検査結果が出た場合、

まずはコレステロールを減らすために普段から気をつけるべきこととして、

食事指導を行います。

 

コレステロールを減らすためのポイントは、

飽和脂肪酸の多く含まれる食事を余分に摂らないよう注意し、

不飽和脂肪酸の多く含まれる食事を摂るように心がけることです。

飽和脂肪酸はコレステロールの合成を高めますが、

不飽和脂肪酸はコレステロールの合成を減らします。

 

不飽和脂肪酸の代表として青魚などに含まれるDHAなどがあります。

 

  • 飽和脂肪酸の多い食品

脂身の多い肉、食肉加工品、乳製品、インスタントラーメン、スナック菓子など

 

  • 不飽和脂肪酸の多い食品

大豆製品、ゴマ油、魚介類、オリーブ油など

 

次に、コレステロールは、生活習慣で増えていくと言われています。

・食生活の乱れ

・運動不足

・喫煙、飲酒

・ストレス

・睡眠不足

以上のことに気を付けましょう。

 

動脈硬化症は、予防が重要

自覚症状がないまま進行していく動脈硬化症だからこそ、

コレステロールの数値をしっかりチェックして、

日常の生活習慣を改善することで、

動脈硬化症を予防していくことがとても大切になってきます。

 

日本動脈硬化学会が、

脂質異常症かどうかを知り、冠動脈疾患がどの程度起こるかを

日本人のデータをもとに調べることができる

これりすくん

というアプリを出しています。

一度試してみてはいかがでしょうか?

www.j-athero.org

 

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