あなたは片麻痺患者様の動作分析において、
きちんと体幹の影響を考えて治療していますでしょうか?
例えば肩関節の治療と言えば、肩甲上腕関節や肩甲帯の動きに着目して
治療していると思います。
しかしながら、肩関節の治療において胸郭、体幹の影響は見逃すことはできません。
日常生活の中で必要な肩関節の挙上運動は、更衣動作において屈曲角度110°が必要になります。
(実はそれ以上の屈曲角度はなくても生活できるという文献もあります。)
この肩関節屈曲角度を保持するために、体幹機能というものは必要になります。
他にも立位動作や歩行動作の安定性やバランス能力においても体幹機能は重要です。
その理由について今日はお話をしたいと思います。
片麻痺のリハビリは体幹機能を治療することで肩関節の動きは劇的に変わります
体幹機能について、先日後輩に質問してみました。
「この患者様の体幹機能ってどうなっている?なんで肩が挙上できないの?」
と質問した時に、体幹機能と肩関節の関係性について理解できていないという場面がありました。
体幹機能と言えば、腰椎の安定性や下部安定性の低下が、という話がよく出ますが
肩関節や頭頚部の動きにとても重要な役割を担います。
肩甲上腕関節の関係性は皆さんご存じですよね。
肩関節屈曲と肩甲帯の動きは2:1の割合で働きます。
その時の肩甲帯の動きが体幹の動きに影響してきます。
体幹がうまく働かなければ肩甲骨がうまく協調的に働くことができません。
だからこそ、上肢機能を診るためには体幹機能をしっかり評価していかなければいけません。
片麻痺のリハビリは体幹から胸郭の動きを改善することが重要
前述した肩関節の動きは体幹の動きが重要だという話をしました。
体幹の動きも重要ですが、胸郭と肩関節の動きについても着目していきましょう。
胸郭は特に呼吸筋が関わってきます。
胸鎖乳突筋から斜角筋、横隔膜や胸筋群、様々な呼吸筋が働いています。
それぞれの筋肉は肩関節機能にとても重要な影響を与えます。
例えば、大胸筋や小胸筋は上腕骨に付着しますし、斜角筋や胸鎖乳突筋は鎖骨に付着しています。
つまり肩関節に結果的に影響してくるのです。
他にも肩関節の挙上には体幹の伸展活動に伴う肋間の拡大も重要な役割を担います。
また、バランス反応においても胸椎の側屈運動、頭頚部の立ち直り反応は重心を支持基底面内に保持する役割を担います。
ならば、胸郭や呼吸の動きは体幹の動きにかなり影響してくることがわかります。
だからこそ、胸郭・体幹の機能は上肢機能や歩行動作を考える上で重要になるのです。
5月に体幹の評価とアプローチ|動作分析に必要な体幹・胸郭の考え方というセミナーを開催します。
今回のセミナーでは胸郭の運動機能を解説頂き、それが体幹(姿勢制御)機能並びに上肢機能とどう関わっていくのかを具体的に分かりやすく解説して頂きます。
前回開催時には多くの受講生様にご参加いただけました。
参加してくださっていた方からは、
胸郭の影響が動作にここまで影響を及ぼすとは思わなかった!
と驚きのお声をいただきました。
体幹の評価とアプローチ|動作分析に必要な体幹・胸郭の考え方 – エポックセミナー
もしあなたが今日のブログで興味を持っていただけたのであれば、ぜひご参加をご検討ください。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
エポックセミナーには理学療法士・作業療法士が臨床の悩みを解決できるヒントがいっぱい!